「血圧の薬を飲むとだるい?」大事なのは体の声。高齢者ほど医者任せ、薬任せにしないほうがいいワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

医師に指示通りに高齢者が血圧や血糖値を正常値まで下げると、相対的に脳は栄養不足、酸素不足に陥ります。結果、頭がぼんやりする、だるい、足がヨタヨタするなどの不調が現れます。老人医療に詳しい精神科医の和田秀樹氏が著書『シャキッと75歳 ヨボヨボ75歳 80歳の壁を超える「足し算」健康術』(マキノ出版)で解説します。

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高齢者は体に合わない薬は見直しが必要

■高齢者の多くはすでに動脈硬化がある。予防医学の常識は当てはまらない

 

80歳を元気に迎えるには、70代から引き算医療を見直すことが大切です。

 

そもそも、血圧や血糖値、コレステロール値を下げる目的は、動脈硬化を予防して、10年後、20年後に心筋梗塞や脳卒中を回避することにあります。

 

故・日野原重明先生が提唱されたように、生活習慣の改善により動脈硬化を遅らせることはできます。しかし、年をとって動脈硬化のない人はまずいません。

 

私が勤務していた高齢者専門の浴風会病院では、年間約100例の病理解剖を行っていました。

 

解剖検査の報告を見る限りでは、80歳を過ぎて動脈硬化が進んでいない人はいませんでした。70代でもほとんどの人に動脈硬化がみられました。

 

動脈硬化が始まっている高齢者に10年先、20年先の予防を呼びかける意味があるのでしょうか。はなはだ疑問です。

 

■高齢者の血圧、血糖値が高めなのは適応現象。下げる害のほうが大きい

 

すでに動脈硬化がある高齢者に、血圧を下げろ、血糖値を下げろという引き算医療は、かえってダメージになります。

 

動脈硬化を起こすと血管の壁が厚くなるので、血圧や血糖値を多少高くして血液をめぐらせないと、脳に酸素やブドウ糖が行き渡りにくくなります。加齢によって血圧や血糖値が高くなるのは、動脈硬化に対処するための適応現象なのです。

 

医師に言われたとおり高齢者が血圧や血糖値を正常値まで下げると、相対的に脳は栄養不足、酸素不足に陥ります。結果、頭がぼんやりする、だるい、足がヨタヨタするなどの不調が現れます。

 

高齢者は血圧を高めにコントロールしたほうがいい、というのが私の考えです。

 

■医者任せ、薬任せにしない。大事なのは「体の声」

 

低血圧症の人は体がだるい、動くのが億劫などの症状に悩まされます。降圧剤は、まさに低血圧を人工的に作っているようなものです。実際、「血圧の薬を飲むとだるくてしかたない」という声は多く聞かれます。

 

検査数値が正常になっても、頭はぼんやり体はヨボヨボになるなんて、まっぴらごめんですね。こんな事態を避けるためには、「自分の場合は、ここまで血圧を下げたら、体調がおかしい」という感覚をもつこと、体の声を聴くことが大切です。体に合わない薬は見直しが必要です。

 

たとえば、血圧が高いために頭が痛い、血糖値が高いせいでのどが渇くなどの症状がある場合は、薬の服用量を調整し、症状が治まるように数値をコントロールすることに治療の意味があるでしょう。

 

投薬量を微調整したり、薬を変えたりして、体調をしっかり診てくれる医師に相談するといいでしょう。多少の手間はかかりますが、インターネットなどで病院の情報を集めると、信頼できる「かかりつけ医」を探し出せるはずです。

 

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    ルネクリニック東京院 院長

    1960年生まれ。
    東京大学医学部卒業。
    東京大学医学部附属病院精神神経科助手、アメリカカール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、「和田秀樹こころと体のクリニック」を開院。
    30年以上にわたって高齢者専門の精神科医として高齢者医療の現場に携わる。
    『自分が高齢になるということ』(新講社)、『年代別医学に正しい生き方 人生の未来予想図』(講談社)、『六十代と七十代 心と体の整え方』(バジリコ)、『「人生100年」老年格差』(詩想社)『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)、『80歳の壁』(幻冬舎)など著書多数。

    著者紹介

    連載70代80代が元気になる秘訣は「足し算」健康術

    ※本連載は和田秀樹氏の著書『シャキッと75歳 ヨボヨボ75歳 80歳の壁を超える「足し算」健康術』(マキノ出版)より一部を抜粋し、再編集したものです。

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