家のなかで避けたいのは座り続けること
▶運動を足す
■ハードな運動はNG。お散歩程度がちょうどいい
人間の体は使わないと衰えます。運動機能を保ち、フレイルを防ぐには、運動習慣をつけることが大切です。ただし、ジョギングのように息が上がる運動は心臓に負担をかけ、腰やひざ、股関節を傷めて、逆に動けなくなるおそれもあるのでやめましょう。
体に無理なく始められるのは歩くことです。一日10分から始め、慣れてきたら30分くらい続けます。歩くことを日課にすると、心肺機能が高まり下肢の筋力も強くなります。
ぷらぷらとそぞろ歩きをしたり、背筋をピッと伸ばしてちょっと速歩きを意識してみたりして、歩き方を変えることも脳にもいい刺激になります。日光を浴びながら歩くと、セロトニンが増えて意欲の低下を防ぎ、うつ病の予防・改善にも効果があります。
運動の足し算で大切なことは毎日続けることです。三日坊主にならないよう、自分のペースで歩く時間を決めてください。
■家のなかでこまめに動こう。避けたいのは座り続けること
家のなかでこまめに動くことも意識しましょう。掃除、洗濯、台所仕事、庭いじり、ペットの世話などやることはいろいろあります。
家のなかで避けたいのは座り続けることです。近年の研究で、一日8時間以上座っている人は、3時間未満の人と比べて死亡リスクが1.2倍上昇すると報告されています。テレビを見ていると、つい座っている時間が長くなるので気をつけましょう。
私自身、歩くこととスクワットを習慣にして血糖値を大幅に下げることができました。正直いってはじめは、運動が面倒に感じることもありました。しかし、おもしろいように血糖値が下がるので、今では習慣にしてよかったと思っています。体を動かすことはうつ病の予防にもなるので、ぜひ続けてください。
▶性ホルモンを足す
■「男はつらいよ」となったら迷わず男性ホルモンの補充を
70歳以降の男性で、迷わず足したほうがいいのは男性ホルモンです。
男性ホルモン(テストステロン)は性欲を保つだけでなく、意欲や好奇心、集中力、判断力、人への関心など精神面の働きもつかさどっています。
年をとると男性ホルモンは低下し、意欲がわかない、元気が出ない、集中力がない、記憶力が悪くなった、人とのコミュニケーションが億劫になる、人への関心がなくなるなど、活力の低下が生じます。筋肉量も減るため、外見もショボンとしてきて、どこかヨボヨボ感がただよいます。