「うつ病予防にもなる」60代医師の血糖値を大幅低下させたある運動習慣【医師が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

家のなかで避けたいのは座り続けることです。掃除、洗濯、台所仕事、庭いじり、ペットの世話などやることはいろいろあります。老人医療に詳しい精神科医の和田秀樹氏が著書『シャキッと75歳 ヨボヨボ75歳 80歳の壁を超える「足し算」健康術』(マキノ出版)で解説します。

家のなかで避けたいのは座り続けること

▶運動を足す

■ハードな運動はNG。お散歩程度がちょうどいい

 

人間の体は使わないと衰えます。運動機能を保ち、フレイルを防ぐには、運動習慣をつけることが大切です。ただし、ジョギングのように息が上がる運動は心臓に負担をかけ、腰やひざ、股関節を傷めて、逆に動けなくなるおそれもあるのでやめましょう。

 

体に無理なく始められるのは歩くことです。一日10分から始め、慣れてきたら30分くらい続けます。歩くことを日課にすると、心肺機能が高まり下肢の筋力も強くなります。

 

ぷらぷらとそぞろ歩きをしたり、背筋をピッと伸ばしてちょっと速歩きを意識してみたりして、歩き方を変えることも脳にもいい刺激になります。日光を浴びながら歩くと、セロトニンが増えて意欲の低下を防ぎ、うつ病の予防・改善にも効果があります。

 

運動の足し算で大切なことは毎日続けることです。三日坊主にならないよう、自分のペースで歩く時間を決めてください。

 

■家のなかでこまめに動こう。避けたいのは座り続けること

 

家のなかでこまめに動くことも意識しましょう。掃除、洗濯、台所仕事、庭いじり、ペットの世話などやることはいろいろあります。

 

家のなかで避けたいのは座り続けることです。近年の研究で、一日8時間以上座っている人は、3時間未満の人と比べて死亡リスクが1.2倍上昇すると報告されています。テレビを見ていると、つい座っている時間が長くなるので気をつけましょう。

 

私自身、歩くこととスクワットを習慣にして血糖値を大幅に下げることができました。正直いってはじめは、運動が面倒に感じることもありました。しかし、おもしろいように血糖値が下がるので、今では習慣にしてよかったと思っています。体を動かすことはうつ病の予防にもなるので、ぜひ続けてください。

 

▶性ホルモンを足す

■「男はつらいよ」となったら迷わず男性ホルモンの補充を


 
70歳以降の男性で、迷わず足したほうがいいのは男性ホルモンです。

 

男性ホルモン(テストステロン)は性欲を保つだけでなく、意欲や好奇心、集中力、判断力、人への関心など精神面の働きもつかさどっています。

 

年をとると男性ホルモンは低下し、意欲がわかない、元気が出ない、集中力がない、記憶力が悪くなった、人とのコミュニケーションが億劫になる、人への関心がなくなるなど、活力の低下が生じます。筋肉量も減るため、外見もショボンとしてきて、どこかヨボヨボ感がただよいます。

あなたにオススメのセミナー

    ルネクリニック東京院 院長

    1960年生まれ。
    東京大学医学部卒業。
    東京大学医学部附属病院精神神経科助手、アメリカカール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、「和田秀樹こころと体のクリニック」を開院。
    30年以上にわたって高齢者専門の精神科医として高齢者医療の現場に携わる。
    『自分が高齢になるということ』(新講社)、『年代別医学に正しい生き方 人生の未来予想図』(講談社)、『六十代と七十代 心と体の整え方』(バジリコ)、『「人生100年」老年格差』(詩想社)『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)、『80歳の壁』(幻冬舎)など著書多数。

    著者紹介

    連載70代80代が元気になる秘訣は「足し算」健康術

    ※本連載は和田秀樹氏の著書『シャキッと75歳 ヨボヨボ75歳 80歳の壁を超える「足し算」健康術』(マキノ出版)より一部を抜粋し、再編集したものです。

    シャキッと75歳 ヨボヨボ75歳 80歳の壁を超える「足し算」健康術

    シャキッと75歳 ヨボヨボ75歳 80歳の壁を超える「足し算」健康術

    和田 秀樹

    マキノ出版

    老化による脳や体の衰えは避けられないもの。しかし「もう年だから」とあきらめることはありません!現代の710代は、老いと闘える最後の世代! 70代になったら薬で数値を下げたり、塩分や脂質の低い食事をションボリ食べる「…

    80歳の超え方 老いは怖くないが、面倒くさい

    80歳の超え方 老いは怖くないが、面倒くさい

    和田 秀樹

    廣済堂出版

    70代は人生の下り坂に差し掛かった時期。一気に滑り台のようにおりていくか、鼻歌でも歌いながら気長におりていくか……。80代、90代を迎える大事な時間である70代をいかに過ごすべきか。30年以上にわたり高齢者医療に携わって…

    アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉

    アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉

    和田 秀樹

    大和書房

    親の言葉かけが、子どもを東大へ行かせます。 罰しても子どもは勉強しません。なぜなら自分に価値があると思うときに子どもは勇気を持てるからです。アドラーは親子関係を対等なものと考え、子どもが人生の課題に取り組み、乗…

    東大医学部

    東大医学部

    和田 秀樹 鳥集 徹

    ブックマン社

    灘高→東大理Ⅲ→東大医学部卒。それは、日本の偏差値トップの子どもだけが許された、誰もがうらやむ超・エリートコースである。しかし、東大医学部卒の医師が、名医や素晴らしい研究者となり、成功した人生を歩むとは限らない…

    メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

    登録していただいた方の中から
    毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
    TOPへ