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「自分で考える」という大切なこと
■自考を始めた日大アメフト部の元エリート選手の変化
「最後に、本件はたとえ監督やコーチに指示されたとしても、私自身がやらないという判断をできずに、指示に従って反則行為をしてしまったことが原因であり、その結果、相手選手に卑劣な行為でけがを負わせてしまったことについて、退場になった後から今まで思い悩み、反省してきました。私の行為によって大きなご迷惑をおかけした関係者の皆様に改めて深くお詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」
2018年5月。日本大学アメフト部で不正タックルをしてしまったM選手の記者会見での言葉です。
M選手は、こう述べ、頭を下げました。
「監督、コーチからの指示を自分で判断できなかったという自分の弱さだと思っています」
彼は監督とコーチに責任を直接転嫁せず、良し悪しを判断できなかった自分を責めていました。自分の頭で考え抜かなかったことを悔やんでいました。
そして、「一連の問題を踏まえ、学んだことは何か」と会見で問われると、次のように語りました。
「少し考えれば自分がやったことが間違っているというのを前もって判断できたと思うので、そういう部分で自分の意志というのを強く持つことが今後、重要だと思いました」
彼はすでに自考を始めていたのではないでしょうか。彼はもう大丈夫なのではないかと私は感じました。
アメフトはチームプレーです。それゆえ、監督やコーチなどの司令塔がチーム、組織をしっかり統率してコントロールすることが強さにつながります。強豪チームゆえに、常に勝つことが求められ、監督やコーチらは常にプレッシャーにさらされていたのでしょう。
しかし、勝つためには手段を選ばないという傲慢が頭をもたげ、選手を評価する尺度も限られていたのかもしれません。選手ひとりひとりに対して自ら考えることを求めずに、指示に従う「マシン」とみなしていた部分があったのではないでしょうか。そもそも、監督、コーチ、選手たちは、アメフトをしていて楽しかったのでしょうか。
記者会見から1週間後、M選手の先輩や後輩らが声明文を出しました。一部を抜粋します。
「私たちは、私たちの大切な仲間であるチームメートがとても追い詰められた状態になっていたにもかかわらず、手助けできなかった私たちの責任はとても重いと考えています。これまで、私たちは、監督やコーチに頼りきりになり、その指示に盲目的に従ってきてしまいました。それがチームの勝利のために必要なことと深く考えることも無く信じきっていました」
「私たちは、日本大学アメリカンフットボール部全体が生まれ変わる必要があることを自覚しています。(中略)そのために何をしていく必要があるのか、皆様にご指導頂きながら、選手ひとりひとりが自分自身に向き合って考え抜くとともに、チーム全体でよく話し合っていきたいと思います」(日本大学アメリカンフットボール部選手一同)
「監督やコーチの指示に盲目的に従ってきてしまった」
「選手ひとりひとりが自分自身に向き合って考え抜く」
M選手以外の選手たちも、「自分で考える」という大切なことに気付き始めたと思いました。日大アメフト部と、選手ひとりひとりは、いつか新しく生まれ変わることができると思いました。