「教えない教室」の子どもたちがトップ進学校に合格できる理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

教えず、教材のパズルに取り組んで、考えさせます。この手法で、子どもたちの思考力が高まり、その思考力は算数以外の科目にも波及するのだそうです。ジャーナリストの岡田豊氏が著書『自考 あなたの人生を取り戻す不可能を可能にする日本人の最後の切り札』(プレジデント社、2022年2月刊)で解説します。

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教科書に書いてあることを信じない

■「教科書を信じない」ノーベル賞学者の言葉

 

2018年10月1日、ノーベル生理学・医学賞に選ばれた本庶佑・京都大学特別教授が会見で語った言葉が忘れられません。

 

記者の「研究者を目指す子どもに思ってほしいことは?」という質問への答えでした。

 

「研究者になるということにおいて、一番重要なのは、何か知りたいと思うこと、不思議だなと思う心を大切にすること。教科書に書いてあることを信じない。常に疑いを持って、本当はどうなってるんだ、という心を大切にする。つまり、自分の目でものを見る。そして納得する。そういう若い小中学生にぜひ、研究の道を志してほしいと思います」

 

“過去”のことが書いてある教科書を信じないこと。今の自分の心と目で、モノを見て納得すること。これはまさに、自考のことだと思いました。本庶さんの貴重なメッセージです。

 

■子どもに教えない異様な塾 高校中退し自分らしく生きるために

 

「よーい、スタート」

 

東京都内の算数教室。宮本哲也先生の掛け声で、小学生20人ほどが一斉に鉛筆を握り、問題を解き始めました。

 

問題は宮本さんが考案した「賢くなる」数字のパズルで、生徒は1回の授業で数種類のパズルにトライします。解けた生徒からいち早く手を挙げて、その場でチェックを求める形式です。

 

正解していると宮本さんは「マル」と言います。不正解だと「ボツ」と言います。1時間半ほどの授業の間、教室で聞こえた声はこの「マル」と「ボツ」だけでした。宮本先生は何も教えません。子どもたちも何も質問しません。これは、異様な光景です。この教室は「教えない」教室なのです。

 

教えず、教材のパズルに取り組んで、考えさせる。この手法で、子どもたちの思考力が高まり、その思考力は算数以外の科目にも波及するのだそうです。教え子たちは、進学校に合格する生徒が多いそうです。

 

このパズル、世界各国で使われていますが、宮本さんは同じパズルを二度は出しません。教えない代わりに、新しいパズルをつくるために徹夜をすることもあります。

 

宮本哲也さんとはどんな人なのか。

 

高校時代、突然、高校に行きたくなくなり、中退。大学入学資格検定(大検)に合格して大学に行きました。

 

「自分の頭で考える」

 

宮本さんはこの言葉を大切にしています。これは自考です。自分で感じ、自分で考え、自分で這い上がってきた宮本さんの人生そのものだと思います。2015年、宮本さんは算数教室をニューヨークで開きました。海外初進出です。

 

アメリカ人の生徒にも教えるため、まず英語教室に通いました。流暢な英語ではありませんでしたが、一生懸命に学び、短期間で最低限の英語をマスターしました。

 

しかし、生徒が思うように集まらず、やがて、教室の継続を断念します。教室を閉鎖し、ニューヨークを去る時、宮本さんが私に語った言葉が印象的です。

 

「人は成功より成長です」

 

目先の成功に満足していると、成長がそれで止まってしまうという意味です。「安定と快適の成功の先には退屈と腐敗しかない。安定を壊して成長したい」と語る宮本さんは、ニューヨークから帰国後、都内で教室を再開しました。50代後半で初めて結婚し、59歳で初めての子どもを授かりました。

 

「今が一番楽しい」

 

宮本さんはいつもこう言います。生徒の授業のためにパズルをつくり続ける宮本さんの成長は、これからも続きます。

 

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    ジャーナリスト

    1964年、群馬県高崎市生まれ。日本経済新聞記者を経て1991年から共同通信記者。山口支局、大阪支社、経済部。阪神淡路大震災、大蔵省接待汚職事件、不良債権問題、金融危機など取材。2000年からテレビ朝日記者。経済部、外報部、災害放送担当(民放連災害放送専門部会委員)、福島原発事故担当、ANNスーパーJチャンネル・プロデューサー、副編集長、記者コラム「報道ブーメラン」編集長、コメンテーター、ニューヨーク支局長、アメリカ総局長(テレビ朝日アメリカ取締役上級副社長)。トランプ氏が勝利した2016年の米大統領選挙や激変するアメリカを取材。共著『自立のスタイルブック「豊かさ創世記」45人の物語』(共同通信社)など

    著者紹介

    連載自分の頭で考える、自分のやり方を考える

    本連載は、岡田豊氏の著書『自考 あなたの人生を取り戻す不可能を可能にする日本人の最後の切り札』(プレジデント社、2022年2月刊)より一部を抜粋し、再編集したものです。

    自考

    自考

    岡田 豊

    プレジデント社

    アメリカでの勤務を終えて帰国した時、著者は日本は実に息苦しい社会だと気付いたという。人をはかるモノサシ、価値観、基準の数があまりにも少ない。自殺する人があまりにも多い。笑っている人が少ない。他人を妬む。他人を排…

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