※画像はイメージです/PIXTA

最近、問い合わせで激増しているのが「損切り」だといいます。収支がマイナスでも「将来のための資産」という言い訳を鵜呑みにし、自分が不動産投資に失敗していえることにすら気づいていないケースもあると警鐘を鳴らします。不動産売却実績4000件の新川義忠氏が著書『速く、高く、不安なく!トータルで収益を増やす“不動産売却”の極意』(ごま書房新社)で不動産売却のコツを解説します。

「かぼちゃの馬車」解約した人は皆無の意味

2つめは、予定通りの収益が得られなかった人です。

 

例えば、利回り15%で地方の中古アパートを買ったものの、空室が続出して予想していた利回りをまったく達成できないというケースです。その他にも想定していなかった修繕が重なり、まったくお金が残らないケースもあります。

 

それなりに勉強をして自分の基準で買ったものの、うまく運営できないパターンで、これもよくあります。

 

3つめは、物件を持て余してしまった人です。

 

例えば、雨漏りして床の抜けているボロ物件を格安で買ってDIYに挑戦したものの、自分では直せない…諦めてしまうケースです。またはDIYに何年もかかって、やる気をなくしてしまうこともあります。

 

自分ではできないので業者に依頼しようとしても予算オーバーになるため、結局どうしようもなくなって「売るしかない」という結論に至ります。

 

ここまで3種類のケースを紹介してきましたが、一番多く見うけられるのが1つめのパターン=悪質な不動産会社やコンサルタントに明らかに騙された人です。

 

私の元へも新築の区分マンションを複数買ってしまい、次の物件を買いたいけれど、所有物件を売らないとローンが組めない投資家さんがいらっしゃいます。

 

新築区分マンションを購入したケースでは、物件にもよりますが、200万円、300万円程度の持ち出しが必要となる場合が多いです。

 

ただし大半の人は200万円、300万円を持ち出してまで売ろうとはなりません。

 

なぜなら、そういう人は基本的に属性が良いので、現状の収支がマイナスでも給料から補填できますし、赤字になれば所得税が圧縮されて、むしろ払っている税金を取り戻すことができているためです。

 

前述した新築シェアハウス「かぼちゃの馬車」のときも、複数の投資家さんから購入相談を受けました。「手付金を放棄してでも絶対に解約したほうがいい」とアドバイスしましたが、行動に移した人はほぼゼロでした。

 

新築区分マンションに関しては、300万円でも400万円でも投入して、マイナスを一度キレイにし、ゼロからスタートしたほうが復活するスピードは圧倒的に速いです。

 

10年後、20年後のために今はお金を払うべきです。しかし、それができない人が大半です。逆に、できた人は復活しています。

 

私たちも「損切りすれば絶対に大丈夫です」とは言えません。

 

「マイナスからゼロになったら、こういう物件が買えて、こうなるから売ったほうがいい」という程度しか言えません。

 

ただ、最初の物件で失敗したものの、売却してリスタートをしている投資家さんも沢山います。
 

新川 忠義
株式会社クリスティ代表取締役
富士企画株式会社代表取締役

 

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※本連載は新川義忠氏の著書『速く、高く、不安なく!トータルで収益を増やす“不動産売却”の極意』(ごま書房新社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

速く、高く、不安なく!トータルで収益を増やす“不動産売却”の極意

速く、高く、不安なく!トータルで収益を増やす“不動産売却”の極意

新川 義忠

ごま書房新社

不動産投資において、「売却」は不可欠なものです。そもそも不動産投資には「家賃収入によるインカムゲイン」「売却時の利益、キャピタルゲイン」と2つの利益があります。 安く買って、高く売れば利益になりますが、10年前に…

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