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ある地方在住の投資家さんが、地元で比較的築浅の木造アパートを安く買いました。しかし、ひどい欠陥住宅でシロアリに食われていたそうです。業者との関係性を重視して、泣き寝入りしました。不動産売却実績4000件の新川義忠氏が著書『速く、高く、不安なく!トータルで収益を増やす“不動産売却”の極意』(ごま書房新社)で不動産売却のコツを解説します。

業者選びを間違えるとトラブルに

業者選びを間違えると、トラブルが起こることもあります。

 

例えば、引き渡しにあたって町内会費や隣人がクレーマーといった細かい情報を知っていたのに言わなかったとすれば、後から問題になります。

 

ある地方在住の投資家さんが、地元で比較的築浅の木造アパートを安く買いました。しかし、ひどい欠陥住宅でシロアリに食われていたそうです。

 

躯体を調べてみると、築年はそこまで経っていないのに、壁の隙間にゴミが突っ込んであるなど、とにかく施工がひどい状態だったそうです。

 

売買仲介業者にクレームを出したところ、その業者さんも知らなかったと言われたそうです。

 

売主はそのエリアでは代々からの地主さんです。問合せてもらったところ、「相続された物件だから知らなかった」ということでした。

 

この場合、売主側にも責任が問える可能性が高いケースといえますが、買主と売主と仲介業者すべてが地元の人だったそうで、買い主である投資家さんは、その業者との関係性を重視して、泣き寝入りに終わったと聞きました。

 

このケースは買主がひどい目にあった話ですが、売主側が不利益を被るケースもあります。

 

説明義務は、仲介会社にも売主にもあります。

 

持っているのだから知らなくてはならないし、きちんと伝えなくてはなりません。

 

「相続でもらったから」なんて関係ないのです。自分の物件である以上、買う人に説明をしなければなりません。

 

そうしたトラブルを想像し、フォローするのが不動産会社の役割だと思っています。

 

当社の場合、売買契約書に添付する付帯設備表を日々改良しています。付帯設備表とは、売買する不動産に関する設備の有無や、故障や不具合の有無などの情報を買主さんへ共有する書類です。こうすることで、大きなトラブルの発生を未然に防げます。

 

いずれにせよ、仲介業者によって力量や体制、担当者レベルでの細やかさ、会社としてのチェック機能などさまざまということです。

 

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※本連載は新川義忠氏の著書『速く、高く、不安なく!トータルで収益を増やす“不動産売却”の極意』(ごま書房新社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

速く、高く、不安なく!トータルで収益を増やす“不動産売却”の極意

速く、高く、不安なく!トータルで収益を増やす“不動産売却”の極意

新川 義忠

ごま書房新社

不動産投資において、「売却」は不可欠なものです。そもそも不動産投資には「家賃収入によるインカムゲイン」「売却時の利益、キャピタルゲイン」と2つの利益があります。 安く買って、高く売れば利益になりますが、10年前に…

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