中古収益物件で融資付けのアレンジはできるか?
不動産会社にとって、買いたい人たちに対して融資付けができることは武器になります。その傾向として、地方の業者は融資付けが苦手なケースが多いです。
以前、ある投資家さんが地方で知り合った不動産会社に聞いた話を紹介します。
そこの業者は東京の収益物件を専門にしている不動産会社に物件を卸していたそうですが、2018年に不正融資が明るみになったことで、東京の不動産会社は地方物件が売りにくくなりました。
そこでその業者は健美家や楽待といったポータルサイトを使って、東京の投資家さんに直接売ることを検討しました。
しかし、地方物件で融資が付きにくいことから、なかなか売却できません。
このように査定するうえで融資アレンジができるかどうかは大事です。
例えば、A銀行では融資が出なくても、B銀行で出ることもあります。
金融機関によって法定耐用年数の残存期間を重視するケース、収益率の高さを重視するケースなど求められる条件が変わるため選択肢が豊富なほど高く売れます。
一時期、それまで木造物件に融資を出していた某地銀が、急に重量鉄骨造やRCマンション以外、木造アパートの評価を下げて、取り扱わなくなったことがあり、その当時は木造アパートが売りづらくなりました。
ただ同じタイミングで、別の地銀が木造物件に融資を出すことになりました。とある年の4月1日から出てきたのですが、すぐにアパートローンを実行したのは当社1軒だけでした。
このように銀行融資は情報戦のような面もあります。
そもそも4月の段階でその情報を知っていたのは5社だけです。そうした情報をいち早く入手していたこともあり、当社は木造のアパートを売れるようになっていました。
法定耐用年数をオーバーした古い物件に、長期融資が付けられる地銀が撤退したことで売りにくくなっても、別の地銀から融資が出るという情報があれば、新たに融資の提案ができます。
これは現在では別の銀行で同じようなケースがあります。
結局、金融機関の潮流は、流行っては廃れての繰り返しです。
それを察知している不動産会社のほうが融資が付けられるので、高く売れる可能性も上がります。逆にそうした情報を知らない不動産会社だと、やはり査定が低くなってしまいます。