(※写真はイメージです/PIXTA)

商品名や新事業名は、企業にとっては重要なマーケティングツールのひとつです。音の響きや見た目の印象がいい名前は人々の意識に残りやすく、高いPR効果が期待できます。このように時として商品や企業の価値や売り上げも左右します。どのようにネーミングを作ればいいのでしょうか、著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で明らかにします。

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新規事業の成長の種をどのように探すのか

■アンゾフのマトリックスを活用して成長の種を探す

 

既存事業の拡大の方向性を検討したり、新規事業を検討したりするのに有効なのがアンゾフのマトリックスです。これは、イゴール・アンゾフによって数十年前に考案されたものです。

 

横軸に商品・サービス、縦軸に市場・顧客を取り、それぞれ既存商品・サービスと新商品・サービス、既存市場・既存顧客、新市場・新顧客というように二分し、マトリックスを作ります。

 

そしてまず既存市場・既存商品と既存商品・サービスのセルに現在提供している商品・サービスを列挙します。この象限の部分を深堀していくのが「市場浸透」となり、既存ビジネスのシェア拡大や成長を図れる分野となります。

 

続いて、既存商品・サービスを新市場・新顧客に展開するのが「市場開拓」となります。この新市場・新顧客の解釈は、企業や事業によって異なってきます。国内中心に事業を行っている会社であれば、海外市場のことを指したり、国内でも新しい業界に進出することを指したりします。

 

この新市場・新顧客をどのように定義するかは、社内や事業部内で意思統一を図れば良いと思います。

 

3つ目は、既存市場・既存顧客に対して新商品・サービスを提供することを検討する象限です。これを「新商品・サービス開発」といいます。既存のマーケットやお客様に対してこれまでにない新商品やサービスを提供することを検討します。対象顧客のイメージがつきますから、そのニーズに応える製品やこちらから提案可能な新しいサービスなどが対象となります。

 

4つ目は、右上の新市場・新顧客に対して新商品・サービスを提供する象限です。ここの部分を「多角化」といいます。この多角化の部分を検討する際には、3通りの方法があります。

 

①市場開拓のセルで検討したものについて、さらにもう一段新しい商品やサービスを提供することを検討する方法と、②新商品・サービス開発のセルで検討したものをさらに新しい市場や顧客に展開することを検討する方法、そして③それらとは無関係に、飛び地に進出することを検討する方法です。

 

多角化はこれまで、失敗しやすいと言われてきたのですが、近年ではM&Aを使って進出する企業が増えています。

 

先の未来マップで出て来たネタをこのマトリックスにプロットする方法もありますし、アンゾフのマトリクスそのもので既存事業の成長の方向性を探ったりすることもできます。

 

ポイント
アンゾフのマトリックスで既存事業や新規事業の方向性を検討する

 

次ページ「ネーミング」開発の4つのポイント

※本連載は、井口嘉則氏の著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

事業計画書の作り方100の法則

事業計画書の作り方100の法則

井口 嘉則

日本能率協会マネジメントセンター

経営環境が激変する最悪シナリオを乗り切る「事業計画書」の立て方・作り方とは? 「ビジョン・戦略立案フレームワーク」で何を/どの段階で行うかがわかる“これからの”実践教科書。 コロナ禍にあっても、事業計画の立…

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