(※写真はイメージです/PIXTA)

PDCAサイクルのスタートでは数値目標を設定し、それを達成するための活動計画(アクションプラン)を立てます。通常は「計数計画先行型」が多いのですが、お勧めしているのは「活動計画先行型」だといいます。コンサルタントの井口嘉則氏が著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

PDCAでは活動計画を立てる

活動計画は、中期経営計画であれば年度別に、短期の経営計画すなわち予算では月別に立案します。

 

活動計画の対象となるのは、大きく2つの課題となります。

 

(1)問題解決型の課題:品質不良やクレーム、納期遅延等現状問題がある事について解決が必要な活動について計画を立てます。

 

(2)ビジョン達成型の課題:新商品・サービス開発や新規事業立ち上げなど、現状問題があるわけではないですが、将来に向けて実現・達成の必要がある課題について活動内容を具体化します。

 

(3)通常業務活動:活動計画というと、ふだんの業務内容まで書き出す人がいますが、それはやり慣れていることなのでわざわざ活動計画には落とし込みません。活動計画の対象となるのは、今まで取り組んだことがないことや、現在の業務内容を大きく変えるような事柄についてです。

 

(4)活動計画に盛り込む内容


活動計画立案に当たっては、対象となる取り組み課題について、責任者と担当者を明確化します。そして、その課題について現状とその問題点を明らかにし、どんなことを解決する必要があるかが分かるようにします。

 

その上で活動目標と目指す将来像を定性・定量両面で設定します。定量目標だけでは、達成できた状態がイメージしづらいので、目指す将来像という形でイメージできるようにします。定量目標については、KPIとして何らかの活動の成果が測れる指標設定を行います。

 

その活動には達成期限を入れ、いつまでに完了させるべきかが分かるようにします。

 

そして、その課題への取り組み方針と具体的な活動内容を明らかにします。

 

活動計画は、年間のものを月別に作れるのが望ましいですが、新しく取り組む課題について、1年先までのことを想定して活動に落とすことは難しいでしょうから、まずは半年程度の活動計画を立案し、半期たったら、半期の振り返りを行い、次の半期の計画を立案するようにします。

 

(5)実行と実績記入


活動期間に入ったら、月々の活動実績を記入し、活動計画通りできたか、もとものと計画と比較対比が行えるように記述していきます。

 

(6)チェック


PDCAのCの部分になりますが、以下のことについて確認を行います。①計画通り活動できたか、②その結果KPIが達成できたか、③活動の結果、計数計画が達成できたか。

 

予め計数計画とKPI、活動計画を立案しておくことで、チェックの段階で、3者の比較を行うことができます。

 

これにより、活動とその成果についての仮説や計数への影響についての仮説が検証できます。そして、その検証結果に基づいて、活動そのものや活動の成果としてのKPIの見直しが必要になることもあります。

 

(7)アクション=修正行動


以上の振り返り、反省に基づいて活動の見直しやKPIの見直し等の修正行動を取っていきます。

 

ポイント
活動計画を立てることでより効果的なPDCAが行えるようになる

 

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次ページPDCAでは計数計画より活動計画を先に立てる

※本連載は、井口嘉則氏の著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

事業計画書の作り方100の法則

事業計画書の作り方100の法則

井口 嘉則

日本能率協会マネジメントセンター

経営環境が激変する最悪シナリオを乗り切る「事業計画書」の立て方・作り方とは? 「ビジョン・戦略立案フレームワーク」で何を/どの段階で行うかがわかる“これからの”実践教科書。 コロナ禍にあっても、事業計画の立…

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