(※写真はイメージです/PIXTA)

「PDCAサイクル」は業務改善のフレームワークです。日本企業での多くは、計画立案時には計数計画の立案、いわゆる予算の立案を中心に行い、具体的にどう実行するかという活動計画の立案面が弱いといわれています。コンサルタントの井口嘉則氏が著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

PDCAは4つの要素について行う

事業管理・経営管理の基本はPDCAとなります。PDCAは、Plan(計画立案)Do(実行)Check(確認)Action(修正行動)の頭文字を取った言葉で、広く行われていますが、日本企業の多くが、CheckとActionが弱いと言われています。

 

見ていると、計画立案時には計数計画の立案、いわゆる予算の立案を中心に行い、具体的にどう実行するかという活動計画の立案面が弱いように感じられます。

 

このため、PDCAをきちんと行うために、下記の4つについて、PDCAを行うようにするといいと考えます。

 

(1)経営目標・事業目標

経営目標には、通常売上高や利益・利益率が来ますが、近年は、コーポレートガバナンスコードの影響もあり、資本効率を表すROEやROAも使われるようになってきています。

 

(2)計数計画

計数計画は、損益計算書で言えば売上・原価・粗利・販売管理費・営業利益等の項目が来ます。管理会計では、変動費・固定費に分けて編成されることがあります。BEP(損益分岐点)を算出するには、変動費と固定費を分けて把握する固変分解を行っておいた方が良いでしょう。

 

その上で、月次の進捗管理(Check)を行います。月次の進捗管理では、予算と実績の差異を把握、分析し、どういった理由・原因で予算が達成できたのか、出来なかったのかを掴みます。そして、次月以降でどのような対策(Action)を取るかを検討し、修正行動を取るようにします。

 

(3)KPI(重要業績評価指標)

KPI(Key Performance Indicator)は、経営目標や計数計画を達成するために必要な活動計画の成果や結果を表す指標です。例えば、新規先開拓数や受注件数、稼働率等があります。

 

経営目標や計数計画は、会計値であることが多いため、経理部門の集計により進捗管理が行えます。しかし、KPIは通常の業務活動または情報システムで把握できるようになっていないものもあり、そうした際には別途KPIの推移が把握できるようにする必要があります。

 

(4)活動計画

活動計画は、各部門が経営目標や計数計画を達成するために、どのような活動を行うかを年別や四半期別、月別などに落とし込んだもののことを言います。

 

例えば、新規先を開拓するために、未取引企業を訪問したり、ホームページから資料をダウンロードした顧客にアプローチしたりします。そうした活動を、期が始まる前に具体的な行動計画として立てておくのです。

 

 

ポイント
PDCAを行うためにKPIと活動計画を具体化する。

 

次ページKPIは財務値と業務値・プロセス値を紐づける

※本連載は、井口嘉則氏の著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

事業計画書の作り方100の法則

事業計画書の作り方100の法則

井口 嘉則

日本能率協会マネジメントセンター

経営環境が激変する最悪シナリオを乗り切る「事業計画書」の立て方・作り方とは? 「ビジョン・戦略立案フレームワーク」で何を/どの段階で行うかがわかる“これからの”実践教科書。 コロナ禍にあっても、事業計画の立…

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