(※写真はイメージです/PIXTA)

経済回復への期待が高まるなか、日本では緩和的な金融政策も続くとみられ、不動産投資に対する投資家の意欲はさらに高まると、シービーアールイー株式会社(CBRE)の本田あす香氏は語る。コロナ禍でも拡大を続けてきたJ-REIT市場、2022年は、どのアセットに注目すべきか。さまざまなデータを紐解きながら、検証する。

【関連記事】オーストラリア不動産投資の最新事情「商業用不動産」購入の注意点

2021年の投資市場、コロナ禍でも活発

Q3累計投資額は2.6兆円、対前年同期比2%減少

2021年Q1からQ3までの累計投資額(10億円以上が対象)は2兆6,420億円で、前年同期を2%下回った。

 

前年(2020年)は新型コロナウィルス感染症が拡大した年であったにも関わらず、通年投資額は2019年を11%上回った。事業会社による資産売却などの大型取引のほか、コロナ禍前から進行していた取引が多かったことが、取引額の伸びを牽引した。

 

これに対し、2021年に入ってからの投資市場は、日本でコロナ禍が本格化してからの取引が殆どとなった。

 

それにも関わらず、Q3までの累計投資額は前年同期とほぼ同水準で推移している。大型取引は前年に比べて減少したものの、中小規模の取引が増加しており、全体の取引件数でも前年同期を1割程度上回った。投資家がより活発になっていることを示している。

 

国内投資家の累計投資額が大幅増

投資主体別の累計投資額は、J-REITを含む国内投資家が増加。特に、J-REIT以外の国内投資家の投資額は対前年同期比38%増加した。

 

2020年の投資額が前年に比べて少なかったことの反動に加え、事業会社が本社ビルを売却した大型取引がQ3にみられたことなどが主因。

 

J-REITについては年初から株価が上昇傾向にあったことから前年に比べて増資が増え、投資額は対前年同期比7%増加した。一方で、海外投資家の累計投資額は同41%と大きく減少。2020年の投資額が例年を上回る規模だったことの反動減が主因。

 

ただし、累計取引件数は、全ての投資主体で前年同期を上回った。国内投資家、海外投資家のいずれの投資意欲も引き続き高いと言える。

 

10億円以上の取引を対象、J-REITによるIPO時の取得物件を除く。 出所:Real Capital Analytics, CBRE,2021年Q3
[図表1]主要不動産取引(投資主体別) 10億円以上の取引を対象、J-REITによるIPO時の取得物件を除く。
出所:Real Capital Analytics, CBRE,2021年Q3

 

次ページ不動産アセット別の投資累計額…オフィスが増加

※本記事はシービーアールイー株式会社(CBRE)の「不動産マーケットアウトルック 2022」より一部抜粋・再編集したものです。
※本文書は貴社の責任と判断で利用いただくものであり、弊社は、貴社又は第三者が本文書に基づいて行われた検討、判断、意思決定及びその結果について法律構成・請求原因の如何を問わず一切の責任を負わないものとします。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧