(※写真はイメージです/PIXTA)

コロナ禍でネットショッピング需要が急速に高まったこともあり、物流不動産市場は近年順調に拡大を続けてきました。そのようななか、首都圏、近畿圏、中部圏、福岡圏の4大都市圏をエリア別に分析すると、意外な事実がみえてきました。

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4大都市圏の物流マーケットは健全な成長が持続

物流不動産マーケットは、2020年、2021年を通して拡大を続けた。4大都市圏の大型マルチテナント型物流施設※1のストック面積※2を2007年と比べると、2021年に約7.5倍、2023年には約10倍まで成長する見込みである。

※1 大型マルチテナント型物流施設首都圏、近畿圏:延床面積10,000坪以上中部圏、福岡圏:延床面積5,000坪以上

※2 福岡圏は2013年から算入

 

LMTのストック面積は、4大都市圏の空室率が大きく低下した後の2013年頃を起点に、拡大ペースが加速した。その背景として、2011年3月の東日本大震災が挙げられる。

 

倉庫の被災により商品のサプライチェーンが途切れた影響を大きく受け、LMTの空室率は同年に急低下した。

 

建物に対する安全性を考慮するようになったこととともに、保管量を従前よりも多く持とうとする意向が加わり、LMT需要が飛躍的に伸びた。以降、eコマース(EC)の拡大や物流の効率化ニーズが需要を牽引し、豊富な新規供給量にも関わらず、4大都市圏の空室率は低下を続けた。

 

2020年の新型コロナウイルス感染拡大期に空室率は一層低下し、1.0%となった。EC利用が一段と浸透したことやサプライチェーンの寸断により、保管量増や物流網の拡充といった、物流戦略の再構築を迫られたためである。

 

このことは、多くのデベロッパー・投資家の物流不動産への参入を促進した。

 

2021年に入るとコロナ禍による「特需」は一段落したものの、依然として需給バランスはタイトな状況である。

 

ただし、新規供給は今後も従前とほぼ同様の成長率で増加する見通しであるため、中期的には需給バランスは若干緩むだろう。特に中部圏においては、大量供給の影響で空室率が大幅に上昇する見通しである。

 

一方、供給が限定的な近畿圏や、市場としての成熟度がもっとも高い首都圏においては、需給の大きな緩みはない見込みである。

 

出所:CBRE,2021年Q3
[図表1]4大都市圏のストックと全体空室率 出所:CBRE,2021年Q3

 

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※本記事はシービーアールイー株式会社(CBRE)の「不動産マーケットアウトルック 2022」より一部抜粋・再編集したものです。
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