経済基盤が安定すると、人は心に余裕を持ち、豊かな人生を送れることを多くの大家を取材して強く感じたという。1万人の大家を取材してきた著者が、サラリーマンの定年後に毎月着実に家賃収入を得ることができる不動産で資産を増やす方法を伝授する。本連載は賃貸不動産オーナー向け経営情報誌「家主と地主」の編集長の永井ゆかり氏の著書『1万人の大家さんの結論!生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)から一部を抜粋、再編集した原稿です。

売買特約は融資が受けられないとき売買契約を白紙に

誌上体験!「不動産会社訪問から契約締結まで」

 

これまで不動産を取得するまでの基本を紹介してきた。ただ、途中には、専門用語の解説などもあり、「わかったような、わからないような」と感じた方もいるだろう。そこで、不動産会社を訪問し、契約するまでの一連の手続きを、ここでまとめて紹介する。

 

今回、一通りのやり取りについて教えていただいたのは、自身も不動産資産ゼロからスタートし、家主業を経営していく中で、家主の立場に立って本気で考える管理会社が必要だと、自身で不動産会社を設立したみまもルームの渡辺よしゆき社長。

 

それでは、不動産会社に足を運ぶところから、どんな流れで契約するのかを見てみよう。

 

買付証明書には、購入希望価格、手付金、残代金、契約希望日、決済希望日、融資特約の有無等の項目欄がある。(※写真はイメージです/PIXTA)
買付証明書には、購入希望価格、手付金、残代金、契約希望日、決済希望日、融資特約の有無等の項目欄がある。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

シーン(1)物件を内見する

 

あなたは、初めての収益不動産の購入をしようとしている。初めての購入ということもあり、中古区分マンションを探していた。収益不動産専用のポータルサイトを見て、いいなと思った不動産については、その不動産を取り扱っている不動産会社に問い合わせて、物件資料を取り寄せていた。いろいろやり取りをしている中で、数社からメールで不動産情報が届くようになった。その中の一社から届いた物件情報が、あなたにとって良い条件だったことから、内見をすることにした。

 

物件に足を運ぶと建物は古かったが、設備はそのまま使える状態。リフォーム費用はほとんどかからなそうだった。

 

シーン(2)買い付けを入れる

 

内見後、すぐに店舗に足を運び買い付けを入れることにした。

 

店舗に行くと、買付証明書(買付申込書ともいう)が用意されていた。買付証明書には、購入希望価格、手付金、残代金、契約希望日、決済希望日、融資特約の有無等の項目欄がある。買付証明書の中で特に重要なのが、購入希望価格と融資特約の有無だという。「これに記入してください」と男性の営業スタッフに言われた。

 

融資特約とは、ローン特約とも呼ばれ、不動産売買契約上で用いられる契約解除条件のこと。金融機関からの融資を前提として不動産の購入手続きを進める場合に、予定していた融資が受けられなくなったとき、売買契約を白紙に戻すことができる特約条項だ。この条項に「あり」とすると、融資が受けられなくなったときのリスクを軽減できる。「ここで重要なのは、買付証明書も売却証明書も、まだ契約しているわけではないので、法的な効力がないということ」と営業スタッフが教えてくれた。

 

当然だが、売主は、高く買ってくれる買主を優先したいと考えるため、あまり低すぎる希望価格だと購入できない可能性がある。購入希望価格は慎重に記入したい。

手付金は購入希望価格の5~10%、契約希望日は買付日から1週間~10日、決済希望日は契約から1カ月~1カ月半ほどを記入するといいとのアドバイスをもらって、買付証明書を営業スタッフに送ってもらった。

 

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1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

永井 ゆかり

プレジデント社

ひと昔は、大家さんというと「不労所得が得られる」と言われた。現在は人口が減少し、空室は増え、入居者の層も多様化し、世の中が複雑化したことで、大家の経営の難易度は確実に上がっている。しかし、やり方さえ間違わなけれ…

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