何かが空室の原因なのかを突き止める
売り上げが安定しないと、いくら支出をコントロールしても経営は厳しくなる。安定した家賃収入を得るためには、この連載の最初に示した家主の仕事の4つ目の空室を発生させないための対策が重要になってくる。経営努力さえすれば、全国平均で約2割の空室状況である今、よほど立地に問題がある場合でない限り満室にできるはずだ。
空室を発生させないための対策は、ビジネスパートナーである管理会社との連携が欠かせない。空室がある賃貸住宅を購入した場合、早期に入居者を決めなくてはいけないわけだが、もし、長期間にわたって空室だった場合は、何が空室の原因なのかを管理会社に確認することが重要だ。
管理会社選びにおいても重要なポイントとなるが、管理会社は、なるべく地元に拠点がある会社を選んだ方がいい。理由は、地元の状況を把握していない管理会社では、的確なアドバイスが期待できないからだ。長期間空室の原因が部屋の内装、設備、仕様にあるのか、家賃の高さにあるのか、入居者ターゲットに問題があるのかなど、さまざまな角度から検証する必要があるが、一番情報を持っているのは、地元で実際に入居者募集をしている不動産会社であり、その検証結果から対策を講じなくてはいけない。
例えば、部屋の内装が「白いクロスの壁、茶色のフローリングの床」というありふれたものであれば、他の物件情報に埋もれてしまう。そこで壁の一部をデザインクロスに張り替えてみるとか、フローリングの床を白っぽい明るい床材に変更などするだけで、他の物件にはない内装で差別化を図ることができる。単身者向けなら20万~30万円程度のコストで済む。
また今、必須サービスとなっている「インターネット使用料無料」サービスなどの導入も一つの方法だ。いずれにしても、物件の問題点を共有し、どのような対策が有効かをお互いが持っている 情報を出し合って検討することで有効な対策を打てる可能性が高まる。