借金が返済できるだけの十分な収益があるか
最も重要なのは「マネジメントする力」
賃貸住宅を購入できたら、ここからが家主業のメインの仕事のスタートだ。家主の仕事とは何かを改めて整理して確認しよう。
(1)入居者の募集
(2)家賃集金、入居者の問い合わせ対応、建物のメンテナンスなどの賃貸管理
(3)退去時の手続き及び原状回復工事の手配
(4)リフォーム、入居者満足度を高めるサービスなど空室を発生させないための対策
以上が主な仕事となる。
(1)の入居者の募集、(2)の賃貸管理、(3)の退去時の対応などの仕事は、基本的には管理会社に任せることができる。管理会社に任せた場合、この3つの仕事について実際に動くのは管理会社だが、家主は状況を常に把握し判断することが仕事となる。(4)の空室を発生させないための対策については、管理会社と相談してどんなリフォームを行うべきか、どんなサービスを付加したら満足度が高くなるかを一緒に決める。
家主業はサラリーマンが副業として行うことは可能だが、重要なのは管理会社の動きを把握し、マネジメントすることだ。すべてを管理会社に任せて「自分は何もしなくても楽に家賃収入が得られる!」と安易に考えてはいけない。本業とうまく両立しているサラリーマン家主たちは、管理会社から状況をヒアリングし、何か問題があれば、どのような方法を取ることが最適かを考えて指示する。
的確な指示をするためには、知識と情報が必要だ。サラリーマンが副業として家主業が可能なのは、時間的な拘束が少ないからだが、成功しているサラリーマン出身家主たちは、家主業にかける時間を極力減らしていたわけではない。不動産購入前から家主業に関する知識を得るための勉強はもちろんのこと、購入後も、市場動向や賃貸業界のニュースなど日々情報収集に注力している。情報や知識があるからこそ、経営リスクを最小限に抑えることができるのだ。
キャッシュフローをコントロールする
家主業における最大の経営リスクは、借金が返済できなくなることだろう。基本的には借金ありきで始める事業のため、借金が返済できるだけの十分な収益があるかどうかがポイントとなる。
そのためには、財務状況をきちんと把握することが重要だ。十分な収益を出す、つまり「キャッシュフローを増やす」ビジネスモデルをつくり上げるためには、財務にも強くないといけない。まず、家主業の収支について確認していこう。