経済基盤が安定すると、人は心に余裕を持ち、豊かな人生を送れることを多くの大家を取材して強く感じたという。1万人の大家を取材してきた著者が、サラリーマンの定年後に毎月着実に家賃収入を得ることができる不動産で資産を増やす方法を伝授する。本連載は賃貸不動産オーナー向け経営情報誌「家主と地主」の編集長の永井ゆかり氏の著書『1万人の大家さんの結論!生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』から一部を抜粋した原稿です。

入居者に選んでもらえる快適な住環境づくり

家主業の魅力だけを見ると、「自己資金さえ用意すれば誰でもできる素晴らしいビジネスだ」と思われるかもしれない。確かに資金があれば「始める」ことはできるだろう。しかし、始めることはできても、「安定した収入を得続ける」のは容易ではない。

 

永井ゆかり著『1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)
永井ゆかり著『1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)

家主業とは、入居者という顧客から受け取る家賃を売り上げとするビジネスだ。一般的に借金をして賃貸住宅を取得し、始めるビジネスゆえに、空室が多いと家賃収入が減り、借金の返済額を家賃収入でまかなえず、自腹を切って支払わなくてはいけない事態に陥ることもある。空室が多いと収入が減るばかりか、資産を食いつぶしかねないリスクがあるのだ。

 

空室をつくらないためには、入居希望者に、数多ある賃貸住宅の中から選んでもらえないといけない。さらに「住みたい」「住み続けたい」と思ってもらえるような賃貸住宅でなければいけない。つまり快適な住環境を提供することが大きなカギとなる。入居者に選んでもらえる快適な住環境づくりを追求することが重要なのだ。

 

ただし当然だが、お金をかけすぎると、今度は利益がなくなってしまう。例えば、今入居者に人気のある住宅設備には、インターネット使用料無料サービス、エントランスのオートロック、宅配ボックスなどがあり、この3つを導入すれば入居者が獲得しやすくなる。だが、この3つすべてを導入すると相当の費用となるわけで、設備投資した分が家賃に反映されたとしても、それなりの家賃収入がなければ収益が悪化する。空室をつくらないためには費用対効果の高い手法の研究が必要となるのだ。家主の経営者としての力量が問われる部分だといえる。

 

永井ゆかり
「家主と地主」編集長

 

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1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

永井 ゆかり

プレジデント社

ひと昔は、大家さんというと「不労所得が得られる」と言われた。現在は人口が減少し、空室は増え、入居者の層も多様化し、世の中が複雑化したことで、大家の経営の難易度は確実に上がっている。しかし、やり方さえ間違わなけれ…

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