『親の介護をしないとダメですか?』

吉田 潮
出版社名:KKベストセラーズ
発行年月:2019年9月
多くの中高年が直面する「親の介護」問題。『週刊新潮』の「TVふうーん録」コラムニストで、フジテレビ「Live News it!」コメンテーターの吉田潮さんが、自分の父が「認知症」となった体験をもとに、本音を書き下ろしました。
親を愛することが「介護疲れ」につながる矛盾と真摯に向き合い、著者は、1つの「答え」を導き出しました。
2018年の春、認知症の父を特養老人ホームに入れました。ものすごくラッキーで、ものすごく速攻でした。でもそこに至るまでの数年間、苦しんだのは老々介護の母でした。「母を救いたい」と思ったのが、ホーム入居のきっかけでもありました。
私は在宅介護をしません。一切いたしません。
介護される父の姿をみて、母の姿をみて、心に決めていました。
実は、ホームヘルパー2級の資格も持っています。十数年前に興味本位でとりました。 でも、これを生業にしようとは思いませんでしたし、今も思っていません。
やはり介護はプロに任せた方がいい。
老人ホームの問題は多々あるようですが、まだ入り口に立ったばかりなので、実情はわかりません。そこはこれから長い付き合いになっていくのだろうな、と思っています。妻や子供が介護をするのが親孝行ってもんだろう、と言われても、私は違うと思います。
家族の介護には限界がある。儒教の国の日本では、介護に関して、「罪悪感」が大きい。介護と親孝行――いかにしてその罪悪感を減らすか、なくすかが課題だと思うのです。
親孝行か自己犠牲か、理想と現実の葛藤のドラマ。
老いた両親を持つ子供として介護とどう向き合い、どう取り組むべきなのか。「優しさ」が「苦しさ」に変わる機微を捉えた本書が、無理をせず、持続性ある介護のヒントになると思います。
【目次】
はじめに
第1部 親はこうして突然老いていく
第2部 母と子はだんだんこうして疲弊する
第3部 父の介護で見えてきたもの
おわりに
掲載記事
[連載]親の介護をしないとダメですか?~父と私の介護録
- 【第1回】 「かってきたよ゜」父のメールに、認知症介護の兆しが見えた 2019/12/22
- 【第2回】 垂れ流しで廊下を…認知症の父の「排泄介護」、家族が見た地獄 2019/12/26
- 【第3回】 在宅介護はいたしません…認知症が家を「悲劇の温床」に変えた 2020/01/05
- 【第4回】 認知症介護の無力…父は排泄を失敗し、字が書けなくなった 2020/01/09
- 【第5回】 多額の年金をおろせない…「認知症の父」が母を号泣させるまで 2020/01/11
- 【第6回】 排泄失敗で「ごめんね」…認知症の父の変化に、翻弄される家族 2020/01/16
- 【第7回】 認知症の父「捨てるな!」…母、介護疲れで家族の思い出を処分 2020/01/18
- 【第8回】 老老介護という牢獄…心が壊れた母、床に転がる「認知症の父」 2020/01/23
- 【第9回】 「サヨウナラ」認知症の父を老人ホームに入れようとしたら… 2020/01/25
- 【第10回】 年金「23万円」の認知症の父…施設探しで、経済的な壁に唖然 2020/01/30
- 【第11回】 認知症の父の絶叫「俺が死ぬのを待っているのか!」に母は… 2020/02/01
- 【第12回】 「包丁つきつけるから!」認知症の父に母絶叫、介護疲労の壮絶 2020/02/06
- 【第13回】 認知症の父が入所してわかった、「介護施設の思わぬ真実」 2020/02/08
- 【第14回】 私は父から「人間としての自由」を奪ったの?認知症介護の苦渋 2020/02/13
- 【最終回】 認知症の父の介護費用「月18万円」…年金暮らし、厳しい現実 2020/02/15

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