(※写真はイメージです/PIXTA)

2026年7月28日16時27分、熊本県熊本地方を震源とする地震が発生し、熊本県宇城市・氷川町で最大震度7を観測しました。マグニチュードは7.1、震源の深さは約10kmとみられています。震度7の観測は、2024年1月の能登半島地震以来です。熊本地震により被災された企業では、建物や設備の損壊だけでなく、営業停止による売上減少、従業員への給与対応、今後の事業再開に向けた資金確保など、さまざまな課題に直面しています。本記事では、過去の大規模災害で実施された支援制度も参考にしながら、被災企業が今後活用を検討できる融資・補助金・税務・労務対応について整理します。また、たいさんぼく社労士・行政書士事務所の安部香織氏の解説を交え、災害時に経営者が注意すべき雇用や従業員対応についても紹介します。※本連載は、THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班が担当する。

災害後、企業が最初に直面する「資金繰り」の問題

災害発生後、企業にとって大きな課題となるのが資金繰りであると考えられます。

 

建物の修繕費、設備の復旧費用、従業員への給与、仕入先への支払いなど、売上が回復する前にも資金は必要になるでしょう。そのため、被災した中小企業向けには、融資による資金支援制度が用意されています。

 

代表的なものが、日本政策金融公庫の「災害復旧貸付」です。

 

災害復旧貸付は、災害によって被害を受けた中小企業者を対象に、災害復旧に必要となる設備資金や運転資金を融資する制度です。補助金は申請から交付まで時間を要する場合もあるため、事業を継続するための当面の資金確保という意味では、融資制度の活用も重要になります。

 

また、融資条件や対象となる災害は、その都度確認する必要があります。過去の大規模災害では、災害復旧貸付とは別に、対象地域を限定した特別貸付(例:令和6年能登半島地震特別貸付)が設けられる例もあり、今回の地震についても同様の特別措置が発表される可能性があります。

被災地域の小規模事業者には補助制度が設けられる場合も

災害によって大きな被害を受けた小規模事業者については、事業再建を支援する補助制度が設けられる場合があります。

 

たとえば、過去の災害では、中小企業庁が「小規模事業者持続化補助金<一般型・災害支援枠>」を創設し、被災地域の小規模事業者の事業再建を支援しました。

 

対象となる取り組みは災害ごとに異なりますが、事業再開や販路開拓など、復旧後の事業継続に向けた取り組みが支援対象となりました。こうした災害支援制度は常設のものではなく、災害発生後に対象地域や制度内容が決定される点には注意が必要です。

 

中小企業庁や自治体が発表する最新情報をこまめに確認しておくと、申請のタイミングを逃さずにすみます。

大規模被害では施設・設備復旧への支援も

工場や店舗、事業用設備などに大きな被害が発生した場合、復旧には多額の費用が必要になります。

 

過去の大規模災害では、被災した中小企業の施設や設備の復旧を支援する「中小企業特定施設等災害復旧費補助金(なりわい再建支援事業)」などが実施されてきました。

 

この制度は、被災地域の中小企業が事業を再開するため、施設や設備の復旧を支援するものです。

 

ただし、対象地域や補助内容は災害ごとに決定されます。今回の熊本地震についても、今後、国や熊本県などから事業者向け支援策が公表された場合には、その内容を確認する必要があります。
 

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