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電話がつながる曜日・時間帯までAIが予測
国税庁は現在、滞納整理にAI(予測AI・生成AI)を活用している。単に滞納額を集計するといった話ではない。
滞納者の過去の接触実績、申告書データ、業種などの情報をもとに、滞納者ごとに「電話」「臨場」「文書」のどの方法なら接触できる可能性が高いのかを予測するモデルを構築。さらに、電話による催告については、曜日や時間帯ごとの応答可能性まで予測する仕組みになっている。
ある滞納者については電話より文書のほうが接触しやすい、別の滞納者については訪問したほうがよい――といった判断をAIが支援し、電話をかける場合には「いつ電話すればつながりやすいのか」まで予測する。国税庁によれば、これらの予測結果は全国の国税局や税務署で滞納整理に活用されているという。
生成AIの使い方も興味深い。滞納者ごとの過去の整理実績を生成AIで要約し、優先的に着手する案件の選定や、担当者が変更された際の引き継ぎ業務に活用することで、事務の効率化を図っている。なお国税庁は、納税者情報の流出を防ぐための措置を講じたセキュアな環境でAIを活用しているとしている。
これまで税務職員の経験や判断に頼る部分も大きかったと考えられる滞納整理が、データに基づいて効率化されているわけだ。
納税コールセンター、催告対象の約8割が「完納・納付誓約」
このAI活用を支えているのが、納税コールセンターによる電話催告だ。
国税庁によると、2025年7月から2026年6月末までの1年間に、各国税局・税務署の納税コールセンターで催告対象となったのは114万8,000者。このうち完納に至ったのが82万9,000者で72.2%、納付誓約中が11万6,000者で10.1%となっており、催告対象の約8割が「完納」または「納付誓約」という結果になっている。
すべての滞納者に同じように電話をかけるより、過去のデータから「つながりやすい相手」「つながりやすい時間帯」を予測したほうが効率的――。AIはこの発想を裏付ける形で使われている。

