「5万円給付」は生活費に消えるのか、それとも貯蓄に回るのか――浮上する“3段階経済対策論”

「5万円給付」は生活費に消えるのか、それとも貯蓄に回るのか――浮上する“3段階経済対策論”
(※写真はイメージです/PIXTA)

原油高騰や物価高への対応として、国民民主党が中・低所得者層への「5万円給付」を提言しました。背景には、政府が構想する「食料消費税ゼロ」と「給付付き税額控除導入」の実施遅れがあります。しかし、過去の給付金政策では、「生活支援」より「貯蓄」に回ったとの指摘も少なくありません。今回の給付は本当に家計支援につながるのでしょうか。また本当に効力のある経済的支援はどのような制度で実現できるのでしょうか。本稿では、給付金を巡る制度設計の課題を整理します。

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原油高と物価高をどう乗り切るのか

中東情勢の緊迫化や円安の影響によって、ガソリン価格や電気代、食料品価格の上昇が続いています。特に所得の低い世帯ほど、生活必需品への支出割合が高いため、物価高の影響を受けやすい状況です。

 

そのため、政府による迅速な家計支援を求める声は強まっており、現金給付を含めた追加経済対策が再び議論の俎上に載っています。

 

食料品消費税ゼロ実施の遅れと“つなぎ策”

現在、政府は「2年間の食料品消費税ゼロ」を実施したうえで、そのあとに給付付き税額控除を導入する構想を描いています。しかし、食料品のみ税率を変更するためには、小売店のレジ改修やシステム変更、事業者への周知など、多くの実務対応が必要になります。

 

特に中小事業者にとっては負担が大きく、準備期間を考慮すると、来年度からの実施は難しいとの見方が強まっています。

 

「5万円給付」はありなのか?

国民民主党は、原油高騰を受けた経済対策の在り方について協議した結果、中・低所得者層を対象に5万円を給付すべきだとの意見で一致したとのことです。

 

国民民主党の提言は、食料品消費税ゼロ実施までの“つなぎ”として、まず現金給付を行うという位置づけです。ただし、給付対象については今後検討される見込みであり、いわば「つなぎのつなぎ」ともいえる政策です。

 

岸田内閣の定額減税と補足給付金

岸田内閣が実施した定額減税では、所得税と住民税の減税が行われました。しかし、住民税非課税世帯や均等割のみ課税される世帯については、もともと納税額が少ないため、減税効果を十分に受けられないという問題がありました。

 

そのため政府は、「定額減税補足給付金」を創設し、対象世帯に対して現金給付を実施しました。具体的には、世帯主に10万円、さらに18歳以下の児童1人当たり5万円が支給されました。

 

減税の恩恵を受けにくい低所得層への配慮として導入された制度であり、今回の5万円給付案にも、こうした考え方が影響しているとみられます。

 

 

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