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トランプ劇場と超富裕層課税 増税か、減税か――税制が映し出すアメリカの真実
奥村眞吾(著)+ゴールドオンライン(編集)
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食料品消費税ゼロで浮上する「5兆円減収」問題
食料品の消費税率を2年間ゼロにする政策を巡っては、レジ改修に時間がかかるなどの問題が指摘されています。そのため、改修期間を短縮する観点から、一時的に税率を1%とする案なども議論の対象となっています。
もっとも、この政策を検討している社会保障国民会議の実務者会議・有識者会議では、減税に伴う財源について具体的な検討は行われていません。
食料品の消費税をゼロにした場合、税収減は年間約5兆円、2年間で約10兆円規模に達するとされています。一部には、税収の上振れ分で賄えるとの意見もありますが、景気動向や税収環境は不透明であり、安定財源として見込むには不確実性が大きい状況です。
消費税率2%引き上げとの組み合わせ案も
以前には、消費税率を2%引き上げる一方で、食料品の税率をゼロにするという案も議論されました。増税による増収が約5兆円、食料品減税による減収も約5兆円となり、全体として財政バランスを維持できるという考え方です。
しかし、現在の物価高局面において消費税率そのものを引き上げることには、国民の強い反発も予想されます。実際、「食料品は減税しても、それ以外で増税されれば意味がない」との受け止め方も広がりやすい状況です。
「ぜいたく品への高率課税」という第二の選択肢
そこで浮上するのが、ぜいたく品に限定して現行の10%より高い税率を適用する「高率課税」という選択肢です。
日常生活に必要不可欠な商品ではなく、高級車や高級時計、宝飾品など、一部の高額消費に対象を限定することで、一般消費者への負担増を抑えながら税収増を図るという考え方です。
海外では、高額資産や高級品への課税強化が議論されることも珍しくありません。日本でも、消費税導入前には類似する制度が存在していました。
