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トランプ劇場と超富裕層課税 増税か、減税か――税制が映し出すアメリカの真実
奥村眞吾(著)+ゴールドオンライン(編集)
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レジ改修問題が「ゼロ%」実施の壁に
2026年4月末の食料消費税減税に関する実務者会議では、出席者の意見が一致せず、中間とりまとめは難航しているようです。現状の論点を整理すると、主に次の3点が挙げられます。
・食料消費税ゼロに伴う財源が明確ではない
・イラン紛争などの影響による物価上昇で、政府に早期対応が求められている
特に、食料消費税ゼロの実施を難しくしているのが、レジシステムの改修問題です。ゼロ税率への対応には時間がかかるため、改修期間を短縮できる「1%案」も議論されています。
「2年後に8%へ戻す」ことへの反発懸念
現在議論されている「食料消費税2年間ゼロ」案は、期限終了後に税率が再び8%へ戻ることになります。
しかし、消費者から見れば、これは事実上の増税です。一度ゼロとなった税率が再び8%へ戻れば、国民の反発が生じる可能性があります。
そのため、単なる時限措置ではなく、恒久的に食料品をゼロ税率とする案も選択肢の1つとして考えられます。この案であれば、「2年後の増税」という悪評を回避できるというメリットがあります。
標準税率12%で財源を補うという発想
もっとも、最大の課題は財源です。
食料消費税の減税による税収減は、年間約5兆円ともいわれています。現時点では、その穴埋め財源は明確になっていません。
そこで浮上するのが、標準税率を現在の10%から12%へ引き上げるという考え方です。
消費税1%あたりの税収は約2.5兆円とされているため、税率を2%引き上げれば、おおむね5兆円規模の税収増となります。つまり、食料品をゼロ税率にする減収分と、標準税率引き上げによる増収分が概ね均衡する計算になります。
「減税一色」の政治のなかで必要な視点
この場合、国庫に入る税収総額は大きく変わりません。一方で、国民の間では、恩恵を受ける人と負担が増える人に分かれることになります。
先の選挙公約以降、政界では「消費税減税」が大きなテーマとなっています。しかし、減税財源を不確実な税収の上振れに期待するだけでは、制度の持続性に不安が残ります。
その意味では、減税と同時に確実な財源確保策を示し、その影響を国民に問うという議論も、1つの現実的な選択肢ではないでしょうか。
矢内一好
国際課税研究所
首席研究員
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