株式投資、プロと戦っても勝ち目はないが…一般投資家がチャンスを掴める「投資ルール」とは?【経済評論家が助言】

株式投資、プロと戦っても勝ち目はないが…一般投資家がチャンスを掴める「投資ルール」とは?【経済評論家が助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

投資をする人が増えていますが、なかにはリスクを理解しないまま金融商品に手を出す、恐るべき猛者もいるようです。しかし一方で、リスクを理解したとしても、百戦錬磨のプロたちと対等に戦えるわけではありません。一般投資家が結果を出すには、どうしたらいいのでしょうか。経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

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金融商品の購入、他人のいいなりは危険!

投資にチャレンジする人が増えていますが、なかには「金融商品のことはよくわからない」「だから、金融機関の人のお勧めに従って取引している」…という人もいるようです。しかし、このような考え方でいては危険です。金融機関の担当者は金融のプロではありますが、顧客の利益を第一に考えている人ばかりではないからです。

 

「お客様にピッタリの金融商品です」は「当店の利益率が最も高い商品です」の翻訳かもしれませんし、「当店でいちばんよく売れている商品です」は「利益率が高いので、当店のスタッフが全力で販売しまくっている商品です」の省略形かもしれません。

 

手数料が高い商品を売りつけられるのも困りますが、さらなる問題は、リスクの高い金融商品のなかに手数料率が高いものがあり、それを販売員が熱心に勧めるケースがあり得ることです。

 

投資は自己責任ですから、どれほど熱心に勧められても、投資で損した責任は買った人にあります。販売員が責任をとってくれるわけではありません。それなら、買うときにしっかりリスクを把握してから判断すべきです。リスクが理解できないものには手を出すべきではありません。

「リスクが理解できないものには手を出さない」が鉄則

「ノーベル賞学者が高度な数学を駆使して開発した画期的な金融商品です」などといわれると、魅力的だと感じる人もいるでしょうが、リスクが理解できないなら止めておきましょう。

 

「リバースデュアルカレンシー債」などというものを勧められても、しっかり内容とリスクを理解しない限りは買うべきではありません。

 

商品の仕組みは理解できても、リスクの大きさがわからないなら、やはり止めておきましょう。「高い金利をお支払いする債券ですが、トヨタの株価が半値になったら、満期日に現金ではなくトヨタの株券をお渡しします」といった商品は、トヨタの株価が半分になるリスクの大きさがわからなければ、手を出すべきではありません。

 

プロが真剣に確率を計算したうえで「トヨタの株価が半分になるリスクを客に押しつけることができるのなら、これくらいの金利を払っても十分元がとれる」という判断で発行が決まっているはずですから。

「タダほど高いものはない」と理解しよう

日本人は、情報は無料だと思っている人が多いといわれています。インターネットが普及してから、その傾向が一層強まったかもしれません。しかし、無料の情報には危険なものも少なくありません。

 

「無料でアドバイスします。すべての保険会社の商品を比較して、お客様にぴったりの商品をご紹介します」というサービスをしている会社やファイナンシャルプランナーがいます。多くの保険商品を自分で比較するのは大変なので、頼りたくなりますよね。

 

しかし筆者は「他人の立場で考える」という言葉が好きなので、「彼らはよほどのお人好しなのだろうか? そうでなければ、どうやって稼いでいるのだろうか?」と考えてしまいます。

 

容易に想像できるのは、顧客が保険に加入すると、保険会社から謝礼がもらえるのだろう、ということです。そうだとすると、謝礼がいちばん多くもらえそうな保険商品、すなわち保険会社の利益率がいちばん高い商品を顧客に紹介しているかもしれない、ということになります。

 

そんなことなら、若干の相談料を支払ってでも「商品を売らないファイナンシャルプランナー」に相談した方が、トータルコストは安くなるかもしれませんね。

 

病気になったときには、医学書を自分で調べるのではなく、医師の診察を受ける人が多いでしょう。それと同様に、金融商品のことがよくわからないのであれば、知識も経験も豊富なプロに若干の相談料を払って教わる、ということを検討してもよいのではないでしょうか。

「自分で考えない、決めない」というルールもアリ

株式投資に際しては、銘柄を選ぶのも売り買いのタイミングを考えるのも大変です。プロたちと真っ向勝負している戦場ですから、初心者が一所懸命考えても勝算は小さいでしょう。筆者はむしろ「初心者は自分で考えるから間違える」と考えています。

 

そこで、「自分では考えない、決めない」というルールを作って守る、という手法が有効です。たとえば、金融機関に「世界中の株を少しずつ買う投資信託があるので、それを毎月1万円ずつ買いたい」と伝えるのです。銘柄を選ぶ必要はなく、上がる株も下がる株もあるでしょうから、大損はしそうにありません。タイミングを考える必要もなく、毎月買うので高いときも安いときも買うことになり、大損は避けられそうです。

 

問題は「自分で決めない」というルールを守るのが意外とむずかしい、ということです。株価が暴落すると、狼狽して積み立てを止めてしまったり、持っている投資信託を売ってしまったりする初心者が多いのです。

 

「自分で判断すると失敗するから、判断しない」と決めたのに、判断してしまうのですね。結局、「初心者が狼狽売りしたあとは暴落が止まって株価が戻る」ということが頻繁に生じ、ルールを守って買い続けた人が「暴落したときの安い値段で買えた」と喜ぶことになるのです。

 

本稿は以上ですが、資産運用等々は自己責任でお願いします。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があり得ます。

 

筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「THE GOLD ONLINE」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。

 

 

塚崎 公義
経済評論家

 

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