2025年の世界経済は「堅調に成長」の見込み
2024年は、米国の株式市場を中心に幅広いリスク資産が高いリターンを記録しました。それは、より多くの資金が流入したことや、投資家の強気度が増したことを意味します。
他方で、たとえば、米国や英国の長期国債など調整が長引いている資産もあり、それがなにを意味しているのかを考えることも重要でしょう。
2025年も経済は成長を続ける見込み
エコノミストのコンセンサス予想に基づくと、2025年も世界経済は堅調に成長することが見込まれています。
今年、米国が世界経済のカギを握るでしょう。その米国では、1月20日に新しい政権が発足します。個人所得や法人所得に関する減税措置の延長・恒久化のほか、幅広い業種の規制緩和によって実体経済が刺激される可能性があります。
不法移民の強制送還も米国民の賃金上昇や米国内の治安改善につながり、政治や経済への信頼感が増す可能性があるでしょう。
日本では、企業による積極的な価格転嫁によって業績と株価が上向き、資産効果と賃金の上昇が個人消費支出を下支えるとみられます。また、日銀の粘り強い金融緩和と円安を背景としたインバウンド消費や海外企業の直接投資によって、外需と設備投資が拡大し、都合、日本経済は潜在成長率を上回る経済成長率を実現する可能性があるでしょう。
欧州では、ロシア=ウクライナ戦争の停戦または終結が生じれば、政治や経済への信頼感が回復して、景気にとっては大きなプラス要因となります。
またその際には、これまでは米国の株式市場に流れていた、世界の投資家による資本フローが欧州の株式市場に急速に向かう可能性があります。これは、考えておくべき「プラスのリスク」でしょう。
新興国は、先進国の政治や経済への依存を減らすことで独自の経済成長を模索しています。
「反グローバリズム」といえば、米国の新政権を思い浮かべるかもしれません。しかし、新興国こそ、第2次大戦以降続く「先進国による搾取」(=ソフトな植民地主義)から脱したいと考えています。
「生みの苦しみ」は避けられないものの、先進国の債務蓄積やインフレ、国際政治のパワー・バランスの方向性を考えると、新興国市場は興味深い市場です。