はじめに
7月6日の日本経済新聞・電子版に、「ローソン駐車場で車中泊 1泊2500〜3000円、ホテル代高騰の受け皿に」との記事が出ました。
外国人観光客はホテルで温泉に浸かり、われわれは車中泊で汗をかく(あるいは、蚊に刺される)。この国はそんな国になりました。資産運用がとても大事です。
さて、早くステーブルコイン/ナロー・バンクの話を展開したいのですが、今週はそれらとも関連する相互関税の通知について簡単に書きます。
相互関税はブラフではない
米国政府は日本時間の7月8日に、日本や韓国など14ヵ国に相互関税の新たな水準を通知しました。
4月当初は「ブラフ」(はったり)との見方が支配的で、その後は『TACO』(=Trump Always Chickens Out/トランプ氏はいつもビビッて退く)と揶揄されましたが、本気であったことが示されました。
日本はと言えば、世界で最初に交渉に乗り出し、その後は赤沢経済再生担当大臣の頻繁な「アポなし渡米」で交渉している姿勢を日本国内向けにアピールしていましたが、その実態のとおり、何の成果も出せませんでした。「日本政府はトランプ政権の真意を図りかねた」との報道も目につきます。
日本への相互関税率(25%)について、一部では「日本は合成麻薬『フェンタニル』の件で米国を相当怒らせ、関税率35%もありえる」という話も聞かれていましたから、それほど高い関税率でなくてまだよかったかもしれません。
ただし、フェンタニルによる被害は、日本経済新聞が『新アヘン戦争』と名付けたように、米国にとっては「他国が仕掛ける国家存亡の危機」ですから、今後は、日本に対する米国の風当たりが一層強くなることは確かでしょう。
トランプ氏も関税通知の書簡に書いていたとおり、米国は「貿易赤字は国家安全保障の脅威」と考えているわけですから、「日本が米国の安全保障の『傘』と呼ぶものにまだ頼るつもり」である以上は、相互関税を含めた応分の負担が避けられません。
もちろん、日本は防衛支出の拡大を迫られるでしょう。
問題は「防衛支出の中身」と「米国への依存をどうするか」でしょう。
トランプ氏は大統領1期目から、日本に対し、(日本が戦後、考えたこともない)「国家とはなにか」について、そろそろ考えたほうがよいと諭しているようにみえます。
