【企業業績】2025年も高い増益率を見込む
そして、主要な株式指数の1株利益(EPS)に関する企業調査アナリストのコンセンサス予想に基づくと、2025年も高い増益率が見込まれています。
米国の株式市場では、新政権の「米国第一主義」を受けて、米国内の家計や企業を主な取引先とする中小型株式(=時価総額が中小規模の銘柄群;代表的な株価指数はS&P400やS&P600、ラッセル2000など)が、相対的に有望とみられています。
中小型株式に含まれる企業は債務の規模が相対的に大きいため、短期金利の低下や信用スプレッドの縮小、インフレのいずれも事業活動や業績にとってはプラスに働く可能性があるでしょう。また、米国への直接投資を加速させる米国外の企業との取引も増加する可能性があるでしょう。
日本の株式市場では、なによりも「コーポレート・ガバナンス改革の進展」が好材料になるでしょう。日本企業の収益性や資本効率(例:利益率や株主資本利益率・ROE)は、米国や他の先進国企業に対し、大きく見劣りします。
出自の内外を問わず「モノ言う株主」が大挙して乗り込んできている状況は、「日本の株式市場における高い収益機会」を示唆しています。そして、彼らの助言と圧力、積極的な価格転嫁とM&A(企業の買収・合併)によって、収益性の改善は始まったばかりです。また、600兆円近い内部留保の蓄積は、株主還元の拡大によって資本効率を一夜にして劇的に改善させる潜在力を示唆します。
新興国の株式市場では、業績の大幅な改善が見込まれています。2024年の新興国株式市場は米ドル建てで10.9%と堅調なリターンを残しました(→MSCI Emerging Markets Indexに基づく;配当を含む)。2025年は、昨年低迷した中南米株式市場の企業業績が循環的に回復することで、企業業績が底上げされると見込まれています。