米国労働市場は引き続き堅調…時給は2ヵ月連続で伸びが加速
9月分の米雇用統計は、幅広い項目で米労働市場の堅調さが示されました。
まず、事業所調査では、非農業部門の被雇用者数が前月から25万4,000人増加しました。また、平均時給は前年同月比で+4.0%となり、2ヵ月連続で伸びが加速しました。
セクターDIは「57.6」となりました(=全250産業のうち、57.6%に相当する144の産業で雇用が前月から増加しました)。前月の8月は51.8で、2ヵ月連続50超、2ヵ月連続上向きでした。
次に、家計調査では、失業率は4.1%で8月の4.2%から小幅改善しました。内訳をみると、労働力人口(=労働参加者)は15万人の増加、就業者数(=実際に職を得る人)は43万人の増加、失業者数は28万1,000人の減少となり、労働市場改善の3つの方向が揃いました。
また、人種ごとの失業率はいずれの人種とも、前月から「低下」もしくは「横ばい」となりました。さらに、フルタイムの就業者数や米国生まれの就業者数も増加しました。
単月ながら、これは、米国内の深刻な問題注1)である「不法移民のパートタイム労働者に、米国生まれの労働者がフルタイムの職を奪われる」状況が気持ち程度ながら和らいだことを示唆するとも考えられます。
注1) この問題は米国だけの問題ではなく、我々にも差し迫るものになりつつあります。
米アトランタ連銀のリアルタイムGDP推計であるGDPNowに基づくと、米国の7~9月の実質GDP成長率は+2.5%と推計されています。