(※写真はイメージです/PIXTA)

「収入に見合った生活をすれば将来に備えられる」――そうした価値観は長く共有されてきました。しかし現実には、平均的な収入を得ていても貯蓄が進まないと感じる世帯は少なくありません。教育費や住宅費、将来の介護負担など複数の支出要因が重なり、節約だけでは資産形成が難しい構造が浮かび上がっています。

平均給与でも到達は容易ではない

国税庁『令和6年分 民間給与実態統計調査』によると、正規雇用者の平均給与は545万円です。

 

平均はひとつの目安ですが、そこに到達するまでのハードルは決して低くありません。現実には「平均くらいでいい」と考えるまでに長い時間と努力を要します。

節約しても貯まらない28歳の現実

千葉市在住のメーカー勤務・葛西さん(仮名・28歳)は、生活費を抑えた暮らしを選んできました。

 

「通勤に無理のない範囲で家賃の安い地域に住み、節約して身の丈に合った生活をすれば貯金できると思っていました。でも給料が上がらず、余裕はありません」

 

食費や光熱費を抑えるため自炊や節電を徹底し、いわゆる丁寧な暮らしを心がけています。しかし仕事面では無理をしない働き方を選んだ結果、昇進や昇給の機会は限られているといいます。

 

「頑張っている同僚は東京に住み交際費も多いので、貯金額は私とあまり変わらないようでした。方向は違っても、どちらも増えないんだと感じました」

 

努力の向け先が違っても資産は増えない――そうした感覚を抱いています。

 

「生活できていれば貯蓄は不要」という考えもあります。しかし公的年金の水準を見ると、その前提は成り立ちにくい現実があります。

 

厚生労働省の年金試算によれば、平均収入月43.9万円で40年間加入した場合の年金額は月約15.5万円程度とされています。これは平均給与より高い収入水準のモデルですが、それでも現役収入より大きく下がります。

 

貯蓄がなければ生活維持が難しいことは明らかです。

教育費が家計余力を削る36歳父

東京都在住の会社員・高嶋さん(仮名・36歳)は、子どもの教育費が想定以上に重いと語ります。

 

「老後資金2,000万円は普通に貯まると思っていました。でも教育費が予想以上で厳しいです」

 

大学までは出してあげたいという思いが貯蓄より優先されるといいます。

 

「公立中心で考えていましたが、現実はそう簡単ではありませんでした」

 

 \6月16日(火)開催/
「相続税の税務調査」

調査対象に選ばれる人・選ばれない人

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