ジェイ・パウエルは“稀代の自信家”?
FRBは、9月17日から18日にかけて開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)において、0.5%の利下げを決定しました。FOMCではこのほか、年内に追加で0.5%、来年2025年に1%、再来年2026年に0.5%の利下げを実施した上で、政策金利を中立水準付近(2.9%)に誘導する見通しを示しました。
パウエル議長は記者会見で、次のように述べました。共通するキーワードは「自信」です。
「本日の決定は、政策スタンスを適切に修正すれば、労働市場の強さが維持されうるというわれわれの高まりゆく自信を反映するものである」
This decision reflects our growing confidence that, with an appropriate recalibration of our policy stance, strength in the labor market can be maintained in a context of moderate growth and inflation moving sustainably down to 2 percent.
「インフレ率はいまや、われわれの目標水準に近く、われわれは、インフレが持続的に2%に向かっていくことに以前よりも大きな自信を持っている」
Inflation is now much closer to our objective, and we have gained greater confidence that inflation is moving sustainably toward 2 percent.
「われわれは、これ(筆者注:四半期見通しで示したような着実な利下げ)に向けて、良好かつ、力強いスタートを切れた。これは、率直に言って、インフレ率が下がっていることについてのわれわれの自信の証だ」
We made a good, strong start to this and that's really, frankly, a sign of our confidence. Confidence that inflation is coming down toward 2 percent on a sustainable basis.
「われわれは、待ち続けてきたし、インフレ率が2%水準に持続的に向かいつつあることへの自信という形でその忍耐は真に報われた」
We've waited and I think that that patience has really paid dividends in the form of our confidence that inflation is moving sustainably under 2 percent.
このように、パウエル議長は、「インフレが鈍化していくという未来の見通し」について、確固たる自信を持っていました。
しかし、「どの口が!?」という話です。
パウエル議長率いる現在のFRBは、2021年に大失態を演じており、米国のみならず、全世界の一般庶民から購買力を奪っています。
「その責任も取らず、謙虚にもならず、失敗からも学ばない、そして、いままた、われわれがさらに困窮する可能性のあるインフレのリスクを冒そうとしている、それが現在のFRBではないか」とだれかが言うかもしれません。以下に、深堀りしましょう。