(写真はイメージです/PIXTA)

23年5月の首都圏中古マンション成約件数は、前年同月比マイナス4.9%となる2,737戸でした。本稿では、ニッセイ基礎研究所の渡邊布味子氏が、踊り場に到達したと考えられる首都圏中古マンション市場について「成約価格」と「新規登録価格」の両面から分析します。

新たに売り出された中古マンションの価格が停滞

 

中古マンション市況を述べる際、良く用いられる価格は「成約価格」であることには注意したい。「成約価格」は売り出されたマンションが売買契約に至った際の取引額のことをいう。これに対し、「新規登録価格」は当月に新たに売り出したマンションの価格のことをいい、「在庫価格」は当月末時点で売り出し中のマンション1の売り希望価格のことをいう。

 

注目すべきは、成約価格よりも新規登録価格が一段と低くなってきた点である。2023年5月の成約価格は4,569万円(前年同月比+9.5%)で上昇傾向となった。しかし、新規登録価格は4,035万円(前年同月比+4.2%)、在庫価格は4,087万円(前年同月比+4.0%)といずれも上昇幅は成約価格の上昇幅の半分以下であり、直近は停滞傾向となっている(図表2)。

 

 

 

 

個人の不動産の売買成立時の価格は基本的には売り出し価格である。売れ行きによっては価格が割引かれることもあるが、逆に売り出し価格よりも高い価格で売買が成立することはほとんどない。

 

また、ここでいう「成約価格」、「新規登録価格」、「在庫価格」は定義に該当する物件の平均値のことをいう。つまり、成約価格が新規登録価格よりも高いということは、売り出し価格の水準が高い「築年が浅い」・「より都心に近く立地が良い」といった性質のマンションの売買が成立し、相対的に競争力がなく売り出し価格が安いマンションが売れ残っていることを示す。

 


1 当月の新規登録分のうち、月末までに売買が成立しなかった案件を含む

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年6月30日に公開したレポートを転載したものです。

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