(写真はイメージです/PIXTA)

23年5月の首都圏中古マンション成約件数は、前年同月比マイナス4.9%となる2,737戸でした。本稿では、ニッセイ基礎研究所の渡邊布味子氏が、踊り場に到達したと考えられる首都圏中古マンション市場について「成約価格」と「新規登録価格」の両面から分析します。

今後の中古マンション売却は売り出し価格からの減額も視野に入れたほうが良い

 

コロナ禍の在宅需要などで盛り上がった中古住宅好調のピークは、既に過ぎ去ったと考えることができる。

 

今後の中古マンション市場では、新築と競争できるグレードや立地などの条件が良い中古マンションがこれまで通りに売れる一方で、長期間売れ残る競争力のない中古マンションの数は増加していくことになるだろう。また競争力のある中古マンションは相対的に高級で価格が高いことが多く、高くなってきた中古マンションの成約価格がさらに高くなる可能性がある。

 

報道等で中古マンションの成約価格が高くなっているというニュースを聞くと、現在保有しているマンションや、これから購入するマンションの価格が将来も上がっていくという期待が高まるのは仕方がないのかもしれない。

 

しかし、成約価格が上昇というニュースがあったとしても、すべての中古マンションの成約価格が上がるわけではない。競争力のない中古マンションの価格は、今後はあまり上がらないと考えられる。さらに言うと、今後、中古マンションの在庫がさらに増え続けるとすれば、売れ行き状況は一層悪くなり、価格が下がっていく可能性があるだろう。
 

もし今保有しているマンションを売却したいと考えているなら、成約価格の見込みをある程度は柔軟に考える必要がある。具体的には、仲介業者と定期的に連絡を取り、「売り出しから数カ月たっても買い希望の問い合わせが何もない」など当初想定していた売れ行きと異なる場合には、価格の減額を検討した方が良いかもしれない。

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年6月30日に公開したレポートを転載したものです。

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