(※写真はイメージです/PIXTA)

自社に合ったデジタルツール選定は社内のDXに必要不可欠なプロセスです。さまざまあるツールのなかから、自社が求める要件に合うツールを選ぶにはどのような視点が必要なのでしょうか。不動産販売事業を経営する筆者・中西聖氏が、自社で進めたDXプロジェクトの経験をもとに解説します。

「会社の目指す方向」がツール選択の指標になる

つまり、既存のCRMツールのほうが変化への対応力があり、その点で優位性があるということだ。どちらも正解だし、どちらを選んでも良い。それなら、重要なのは僕たちがどんな会社を目指しているかだろう。

 

事業がすでに成熟していて、売上の伸び代が期待しにくい場合、または、新規事業などの案がなく、新たな事業領域への進出が期待できない場合は、コスト重視でツールを導入していくのが正解だろう。ITシステムという資産を小さくすることでBSがコンパクトになり、経営リスクを小さくできる。

 

逆に、事業が成長期である場合や新たな事業を展開できる可能性があるなら、コストは掛かるがITシステム構築の投資を充実させるほうが良い。コストは大きくなるが、あら かじめ拡張性を確保しておくことで、事業の成長に合わせたリプレイスが不要になり、そ の際の手間とコストを抑えることができる。拡張性がないことが事業の成長そのものの足枷になる可能性もある。

 

最終的な決断

この二択で考えると答えは明白だった。僕たちは成長期の会社だ。顧客層を広げ、その先の展開として、DX領域で次の成長も考えている。ならば、その成長を支えられるITシステムを構築しなければならない。そう考えて、僕はA社のCRMツール開発を止め、既存のCRMツールを社内共通のプラットフォームにしようと決めたのだった。

 

 

中西 聖

プロパティエージェント株式会社

代表

 

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※本連載は、中西聖氏の書籍『DX戦記 ゼロから挑んだ デジタル経営改革ストーリー』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集したものです。

DX戦記 ゼロから挑んだデジタル経営改革ストーリー

DX戦記 ゼロから挑んだデジタル経営改革ストーリー

中西 聖

幻冬舎メディアコンサルティング

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