(※写真はイメージです/PIXTA)

「地頭」良さを見極めるために面接でよく使われている方法として「フェルミ推定」があります。回答の巧拙と入社後の活躍度には相関がないことが明らかになりました。人事コンサルタントの曽和利光氏が著書『人材の適切な見極めと獲得を成功させる 採用面接100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

現在、Googleはフェルミ推定に否定的な立場

■フェルミ推定などで測れる能力は限定的

 

約30年前、私が社会人になって人事部に配属された頃、まだ「地頭(じあたま)」という言葉は広がってはいませんでした。

 

以前は「地頭」と書けば、ふつうは「じとう」と読んで、鎌倉幕府の役職のイメージが強かったのではないでしょうか。現在の「地頭」は、辞書的には「教育によって授けられたものではなく、その人本来の頭のよさ。一般に知識の多寡でなく、論理的思考能力やコミュニケーション能力などをいう」とされています。

 

採用面接において「地頭」は、「論理的思考能力」という意味で最もよく使われています。すなわち、論理的に因果関係(原因と結果の関係)の連鎖によって、ある概念(意味、考え、コンセプト)から別の概念を生み出して説明する能力です(ただ、「地頭」には評価で様々な解釈があります。

 

この「地頭」を見極めるために面接でよく使われている方法の一つとして、「フェルミ推定」があります。

 

「フェルミ推定」とは、実際に調査しようがないものについて、限られた時間と情報の中で論理的に推察する手法のことです。例えば、日本全国の電柱の数やマンホールの数などについて、面接の場で概算して回答するような質問です。IT企業の超大手であるGoogle社が論理的思考能力を評価するために面接へ取り入れ、多くの企業が追随しました。

 

しかし、本家本元とも言えるGoogle社は、現在はフェルミ推定に否定的な立場をとっています。フェルミ推定で優秀な回答をした人が、入社後に実際活躍したかどうかの調査を行った結果、回答の巧拙と入社後の活躍度にはあまり相関がないことが明らかになったためでした。

 

なぜこのようなことになったのか。

 

それは「領域固有性」が関係しているからではないか、と私は考えます。領域固有性は、その思考や能力が必要とされている特定の状況や場面でのみ力が発揮されるため、“フェルミ推定への上手な回答ができる能力”と“仕事で活躍するために必要な能力”では、能力を発揮するシーンが別物だったのではないか、ということです。

 

フェルミ推定で明らかになるのは、「突飛な質問へ即座に論理的に推理できる臨機応変さ」であり、それによってあらゆるビジネスシーンに通用する能力が測れるわけではなかったのです。

 

したがって、面接で導入すべきかは、フェルミ推定でわかる能力が仕事上必要かで判断することになるのではないでしょうか。

 

ポイント
•「地頭」は「論理的思考能力」の高さと関係しているとされる。
•フェルミ推定の結果は入社後の活躍度にあまり関係がなく、フェルミ推定自体が地頭のよし悪しを判断する材料にはならないことが現在の主流。

 

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    ※本連載は、曽和利光氏の著書『採用面接100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

    採用面接100の法則

    採用面接100の法則

    曽和 利光

    日本能率協会マネジメントセンター

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