(※写真はイメージです/PIXTA)

士業資格のダブルライセンスは思ったより有効ではありません。士業の業務はどれも奥深いものがあり、一つの実務を極めるだけでも大変です。46歳で社労士試験に挑戦し、50代から実務を経験した佐藤敦規氏が著書『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

士業のダブルライセンスが有効ではない理由

■勉強よりも資格を活かせないか考える

 

資格試験の勉強を続けるのを勧めないもう一つの理由は、士業のダブルラインセンスというのは思いのほか、有効でないというものです。

 

例えば、行政書士の先生が社会保険労務士の資格を取得すれば、許認可の取得から労働保険・社会保険の代行手続きなど新たに立ち上げた会社の手続きを通貫して請け負えます。あるいは中小企業診断士の先生が社会保険労務士の資格を取得すれば、社内の人事制度の構築から営業支援まで企業の発展についてトータルでサポートできるようになります。

 

このようにダブルライセンスを活かして活躍している先生もいらっしゃいますが、大半の先生はどちらかの資格のみを中心として活動しています。

 

士業の業務はどれも奥深いものがあり、一つの実務を極めるだけでも大変です。とても同時並行して習得できるほど簡単なものではないからです。

 

例えば、料理人がフランス料理とイタリア料理を並行して修業することはありません。

 

どちらか一つに絞り、そのいずれかでお店を開けるよう努力するのです。

 

洋食をあまり食べない人にとっては、フランス料理もイタリア料理も同じに見えますが、似て非なるものです。むしろ高級店ほどブルゴーニュやトスカーナなどその地方に絞った料理を提供しようとします。

 

士業にも同じことがあてはまり、なんでもできるとアピールするよりは、問題社員対策に強い社労士です、許認可専門の行政書士ですと業務を絞ったほうが成功しやすいでしょう。

 

したがって、しばらく転職や独立など資格を活かす場がないのであれば、副業としてお金を稼げないのか検討したほうがよいです。

 

■それでも挑戦したいならこんな資格がよい

 

とはいえ、会社の規定で副業が禁止されているような人もいます。そのような環境に置かれた人は、資格試験の勉強を続けるのもアリでしょう。その場合、お勧めするのは簿記です。どの士業でも企業の顧問をする場合、会計の知識があると有利となるからです。

 

簿記の1級は難関ですが2級まででしたら年間400時間の学習時間で合格できますので、手頃な難易度といえます。また転職市場でも求められるケースが多く、将来、独立する場合でも役立ちますので一石三鳥ともなりえます。とてもコストパフォーマンスがよいといえます。

 

お金の知識を広く浅く網羅的に学習できるFP技能検定などもよいですが、実用性という観点からすると簿記に軍配が上がります。

 

佐藤 敦規
社会保険労務士

 

 

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本連載は佐藤敦規氏の著書『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法

45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法

佐藤 敦規

日本能率協会マネジメントセンター

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