(※写真はイメージです/PIXTA)

士業資格のダブルライセンスは思ったより有効ではありません。士業の業務はどれも奥深いものがあり、一つの実務を極めるだけでも大変です。46歳で社労士試験に挑戦し、50代から実務を経験した佐藤敦規氏が著書『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

資格勉強だけだと実戦に弱くなる理由

■新たな資格に挑戦するのは得策でない

 

当面、独立や転職の予定がない人が行いがちなのは、新たな資格試験に挑戦することです。社会保険労務士試験に合格した人が中小企業診断士に挑戦する、行政書士試験に合格した人が社会保険労務士試験に挑戦するといった具合です。

 

勉強の習慣が抜けないうちに新たな資格に挑戦すると、合格する確率は上がるでしょう。割引受講制度などで優遇しているスクールもあります。しかし個人的には、資格試験に合格後、別の資格試験の勉強を始めるのはお勧めしません。

 

■なぜ資格試験の勉強を続けるのがよくないのか?

 

資格試験の勉強を続けるのをお勧めしないのは、市販のものやスクールのものにせよ、資格試験学習用のテキストがよくまとめられており、ポイントが分かりやすいからです。

 

こうした教材で学習を続けていると、国や行政が作成した文書やパンフレットを読み込むのに苦痛を感じるようになります。

 

国や行政の資料もデザイン面なども工夫されていて分かりやすくなってきています。それでも判読しにくい文章は散見されます。

 

行政の窓口に確認した場合も同様です。質問に対しては答えてくれますが、スクールの講師のように質問意図などは探ってくれません。

 

「申請できますか」という質問に対して「できます/できません」としか答えてくれず、例外についてまでは説明してくれないのです。そのため、例外規定に該当した場合、申請できなかったという事態にもなりえます。

 

プロ野球に高校から入団した野手が活躍できるまで時間がかかるのは、金属バットから木製バットに慣れるまで時間がかかるのが要因だといわれています。

 

この資格試験の勉強を続けるというのは、木製バットに慣れるように努力しなければならないのに金属バットで打ち続けるようなものです。

 

助成金や補助金などの代行申請を成功させるためには、国や行政が発行しているパンフレットや文書などを正確に読みこなして、不明点を的確に質問できる力を養えるようにしておかなければなりません。法改正時なども同様です。

 

■士業として成功する要件は?

 

営業力がある、実務能力があるなど、士業として成功する要件はいくつかあります。

 

私は、新しい法律や法改正などの情報を素早くキャッチアップして、自分がその分野の先駆者となれるように徹底的に調べるという、開拓者精神があるかどうかも、その一つだと考えています。

 

最近でもパワハラ防止法(労働政策総合推進法)のように、新しい法律が誕生しています。

 

新たな法律が誕生した直後は、その法律について精通した人が少ないので、誰もがその分野の第一人者になれるチャンスでもあります。第一人者になれば、仕事の依頼がくるだけでなく、著者になったり、セミナー講師として登壇したりする機会も増えます。

 

スクールの授業を受けるなど整備された道だけを歩いていると、道なき道を見つける開拓者精神が薄れてしまう恐れもあります。

 

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    本連載は佐藤敦規氏の著書『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

    45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法

    45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法

    佐藤 敦規

    日本能率協会マネジメントセンター

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