(※写真はイメージです/PIXTA)

資格試験では丸暗記に頼り過ぎるのはよくありません。理解をともなわない丸暗記は、「覚えたはずなのに、できない」といった事態をまねくおそれがあるからです。46歳で社労士試験に挑戦し、50代から実務を経験した佐藤敦規氏が著書『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

資格試験対策の要「暗記か?理解か?」

資格試験の対策の要は暗記ですが、最初は、細かい部分にとらわれず大筋を理解したほうがよいという声もあります。どちらが正しいのでしょうか? 

 

まずは体系を理解したほうがよいでしょう。特に法律系の科目では、例外規定や経過措置などがあります。そうした枝の部分だけを注意していると先に進まない恐れがありますし、肝心な箇所が抜け落ちてしまう恐れがあります。

 

社会保険労務士試験の例だけだして恐縮ですが、労災保険という科目では、労働者を被保険者という言葉に入れ替える問題がしばしば出題されます。なぜ被保険者でなく、労働者という言葉を使うのかを確認するのが幹の部分です。

 

ただし数字などの細かい部分はできるだけ、最初から覚えていったほうがよいです。直前期に詰め込もうと思っても数が多すぎて、覚えきれない恐れがあるからです。

 

■資格試験によくある正誤問題の特徴

 

資格試験で多いのは次の形式です。

 

①×(誤り)選び

4つないし5つの文章から誤りを選ぶものです。

 

誤った箇所(文章)が判明すれば、他の文章を読む必要がありません。正誤問題の中では一番、やさしいタイプです。

 

特に数字の誤りは一目で分かるので落としたくない問題です。

 

②○(正解)選び

4つないし5つの文章から正しいものを選ぶものです。明らかに誤りだと分かる文章もあるのですが、どちらも正しいのではと思われる文章が2つ残り迷うことが多いです。全部の文章を読まなければならないので、①よりも問題のレベルは上がります。

 

その他、正しい記号の組み合わせや正しい記号(誤っている記号)の個数を問う問題もあります。組み合わせ問題は比較的、容易にできることが多いのですが、個数についての問題は②と同様、正解が紛らわしい文章が2つあり判断に迷います。②と同様にレベル的に高いといえます。

 

一般的に正誤問題の中では、(正解)選びと個数問題の難易度が高いことが多いです。

 

■忘れないための覚え方の繰り返し法

 

ある科目を勉強していた直後は覚えていたのに、しばらくするとすっかり忘れてしまったという経験を持つ人は多いのではないでしょうか? 私もそうでした。数ヶ月前に正解だった過去問をほとんど間違えてしまい絶望感にかられた経験があります。

 

それでは毎日、複数の科目を勉強すればいいのではないかと思われる方もいらっしゃると思いますが、なかなか計画通りにいきません。特に初めて学習する際は、一定期間、その科目に集中したほうがよいので難しいものがあります。

 

・しばらく勉強していない科目がないかを確認する仕組みを作る

 

学習計画の後半には複数の科目を同時並行して学習するようにしなければなりません。しかし日単位で計画を作るのは、大変ですし、それだけに時間を取られてしまうのは効率的とはいえません。1週間、学習期間が空いた科目がないかなどの仕組みを作ったほうがよいでしょう。

 

・横断学習

社会保険労務士試験のように似た科目がある試験に有効なのは、横断的に学習するという方法です。各法律の保険料の徴収方法や罰則などを横一線に並べ、違いと共通点を確認するというものです。ひっかけ問題の定石である主語や数字の入れ替えについてクリアになるという効果が期待できます。

 

佐藤 敦規
社会保険労務士

 

 

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本連載は佐藤敦規氏の著書『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法

45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法

佐藤 敦規

日本能率協会マネジメントセンター

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