思い込みからくるひっかけ問題の対策
■資格試験にひっかけ問題が多いわけ
資格試験の問題は、正確に暗記さえしていれば解けるものが大半です。では、資格試験が簡単かというとそうとは言い切れない面もあります。
地頭のよさを試す思考的な問題がでない代わりに、うっかりすると間違えてしまうひっかけ問題がかなりの割合で出題されるからです。
ひっかけ問題とは次のようなパターンの設問です。
・主語の入れ替え
〇〇が××に対して~しなければならないという文章です。被保険者を事業主などに入れ替えます。
・数字の入れ替え
期間、期日などを入れ替えるものです。よく出題されるのは〇〇以上と〇〇を超えて、〇〇以下と〇〇未満の入れ替えです。
・例外の排除
法律や法令では、様々な事情に対応できるよう例外規定を設けています。
すべて~ない
必ず~である
一切~ない
といった文章により、例外規定を排除しています。上記のような文言が含まれている文章は誤りであることが多いのですが、あえて正解とすることもあります。また文章は正しいのですが( )書きの中の文言が誤っている設問もあります。うっかり( )の中の文言を読み飛ばしてしまうと不正解となってしまいます。
なぜひっかけ問題が出題されるかというと理由は、2つあります。
1つ目は素直な問題だけですと得点に差がつかないこと。国家試験ともなりますと、問題を作るのは難しいものがあります。特に法律系の資格ともなれば、法改正もありますし、運用面でも判例などによって解釈が変わってくることもあります。
したがって問題のバリエーションを増やすのは、容易ではないため、安全策のため過去に出題された論点が出されることが多いですが、同じような問題ですとある程度、学習した受験生であれば正解を選べます。差をつけるため、問題にひねりを加えるのです。
2つ目は、士業の適性を判断する面もある(と思われる)こと。どの仕事にもいえることですが士業の仕事は、特に失敗が許されなく難しい面があります。
例えば、宅建士や行政書士の試験は、司法書士や司法試験よりは簡単といえるでしょう。
しかし仕事が簡単かというと決してそうとはいえません。
宅建士が担当する住宅の販売にしても、行政書士が担当する各種の許認可にしても、書類の文言の見落としや作成の誤りがあったりすると、大問題につながる恐れがあります。何十回やった手続きであれ、慎重に見直す必要があるのです。