五輪はスポーツを通じた「疑似戦争」か
8月7日、新体操団体の「ボール」の予選もそうでした。5人の選手が複雑に動きながら、5つのボールを投げて受け、美しさと技を競います。ボールを落とさないか、ハラハラする競技です。上位8チームが決勝に進むことができますが、その時、日本は競技を終えて8位。その状況で、アゼルバイジャンのチームが試合に臨みました。
アゼルバイジャンが日本を上回れば日本の決勝進出が消える状況でも、アゼルバイジャンの選手がミスをした直後の実況・解説は選手を励ましました。
「気持ちを切り替えていきましょう」
アゼルバイジャンの選手の気持ちに寄り添った言葉でした。
パラリンピックの最終日の9月5日。車いすバスケットボール男子決勝。日本対アメリカ。最後までどちらが勝つか分からない接戦でした。
「お互いに金メダルを狙って死力を尽くしています」
この試合のテレビの実況、解説もバランスが取れていました。日本に一方的に肩入れするコメントはなかったと感じました。
結果は64対60。アメリカの勝利。日本は銀メダルでしたがこの種目では初のメダルという快挙。スタジオのゲストは「アメリカの選手も素晴らしいプレーだった。最高の試合だった」と相手の健闘もたたえていました。
オリンピックは、スポーツを通じた各国間の「疑似戦争」と例えられることもあります。
自国の選手という理由だけで支持し、他国の選手を敵視する心。メディアも自国選手に肩入れし、他国選手を敵視する報道。極端な話ですが、その心が行きつく最悪の結末は戦争ではないかと連想してしまいます。
私は「日本が二度と戦争をしないように」という思いで仕事をしています。そんな思いがあるから、こんな自問自答をしてしまうのかもしれません。
ソフトボールは宿敵アメリカを破り、悲願の金メダルを獲得しました。日本のエース、上野由岐子投手は宇津木麗華監督と抱き合い、涙をにじませていました。2008年の北京オリンピックで日本が金メダルを獲得した後、ソフトボールはオリンピック種目から除外され、上野さんは燃え尽き症候群のような状態に陥り、目標を失いかけていました。
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