政府はワクチン接種が進めば大丈夫と繰り返した
■日本の凋落を象徴 新型コロナワクチン接種の遅れ
2021年2月上旬、新型コロナウイルスのワクチンを少なくとも1回接種した人は世界で1億人を超えました。接種の人数はアメリカが最も多く、中国がこれに続いていました。OECD加盟37カ国のうち、接種が始まらないのは日本を含む5カ国。遅れが際立っていました。
日本は国産ワクチンの開発に着手しましたが、途上でした。国民の命に関わる問題にもかかわらず、世界における調達競争力や自前での開発力は明らかに劣っていました。
2021年、日本は、東京オリンピック・パラリンピックの開催国でした。開催国として、ワクチン対策、感染防止対策をめぐる自覚が乏しいと言われても仕方ありませんでした。オリ・パラの開催について、国民の反対論も根強い中、政府はワクチン頼みで“強行”しました。
開催を可能と判断した根拠をめぐる説明は極めて不十分でしたが、政府はワクチン接種が進めば大丈夫と繰り返しました。でも、その時、肝心のワクチンは他国依存でしか調達できなかったのです。
日本は「技術立国」としての評価もダウンしています。日本の力は、ここまで落ちているのかと再認識させられます。長引く経済の衰退にいつ歯止めをかけられるのか。また有事などの肝心な局面において、日本政府は十分に機能することができるのか。不安が募ります。
政府を預かる政治家や公務員のみなさんの思考は、停滞あるいは停止していないでしょうか。不要な忖度は捨て、国民と日本の未来を見つめて、自考してほしいのです。
岡田 豊
ジャーナリスト
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