(※写真はイメージです/PIXTA)

孫との交流は高齢期の大きな喜びとされます。実際、内閣府『高齢社会白書(令和6年版)』でも、高齢者の生活満足度には家族との関係性が強く関係することが示されています。一方で、子世帯との距離が近い場合、交流が日常化することで高齢夫婦の生活リズムや家計、役割負担に影響が生じることもあります。家族関係は支えにもなりますが、境界が曖昧になると負担構造が見えにくくなる場合があります。

孫の来訪…「にぎやかでいいですね」と言われるけれど

神奈川県内で暮らす高橋さん夫婦(仮名・ともに74歳)は、年金月約20万円で生活しています。持ち家でローンはなく、金融資産は約1,300万円。一般的には平均的な高齢夫婦世帯の水準です。

 

長男家族は徒歩5分の距離に住んでいます。小学生の孫2人は、ほぼ毎日のように祖父母宅を訪れていました。

 

「ただいまー」

 

学校帰りにそのまま来るのが日常でした。

 

周囲からは「孫に囲まれて幸せね」と言われます。高橋さんは笑顔で「そうですね」答えるものの、内心は違っていました。

 

最初は週1〜2回の訪問でした。やがて回数が増え、放課後は祖父母宅という流れが定着しました。

 

「学童が合わないみたいで」

 

義娘はそう説明しました。

 

宿題を見る、おやつを出す、夕方まで見守る。それが自然に高橋さん夫婦の役割になっていきました。

 

「頼まれてる感じではなかったんです。でも、断る理由もなくて…」

 

午後3時になると来る。夕方6時頃までいる。その間、テレビは子ども向け。居間は遊び場。夫婦の静かな時間は消えました。

 

「昼寝もできないんです。疲れるけど、言えない」

 

孫が来るようになってから、支出も増えました。

 

おやつ・飲み物:約1万円

食材追加:約1万5,000円

外食・外出費:約1万円

雑費:約5,000円

 

月約4万円前後の増加でした。年金20万円の家計では小さくない額です。

 

総務省『家計調査(2024年)』では、高齢夫婦のみの無職世帯の平均消費支出は月25万6,000円とされています。年金収入だけでは不足しやすく、多くの世帯が貯蓄取り崩しを前提とする構造が示されています。

 

 \3月20日(金)-22日(日)限定配信/
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