孫の来訪…「にぎやかでいいですね」と言われるけれど
神奈川県内で暮らす高橋さん夫婦(仮名・ともに74歳)は、年金月約20万円で生活しています。持ち家でローンはなく、金融資産は約1,300万円。一般的には平均的な高齢夫婦世帯の水準です。
長男家族は徒歩5分の距離に住んでいます。小学生の孫2人は、ほぼ毎日のように祖父母宅を訪れていました。
「ただいまー」
学校帰りにそのまま来るのが日常でした。
周囲からは「孫に囲まれて幸せね」と言われます。高橋さんは笑顔で「そうですね」答えるものの、内心は違っていました。
最初は週1〜2回の訪問でした。やがて回数が増え、放課後は祖父母宅という流れが定着しました。
「学童が合わないみたいで」
義娘はそう説明しました。
宿題を見る、おやつを出す、夕方まで見守る。それが自然に高橋さん夫婦の役割になっていきました。
「頼まれてる感じではなかったんです。でも、断る理由もなくて…」
午後3時になると来る。夕方6時頃までいる。その間、テレビは子ども向け。居間は遊び場。夫婦の静かな時間は消えました。
「昼寝もできないんです。疲れるけど、言えない」
孫が来るようになってから、支出も増えました。
おやつ・飲み物:約1万円
食材追加:約1万5,000円
外食・外出費:約1万円
雑費:約5,000円
月約4万円前後の増加でした。年金20万円の家計では小さくない額です。
総務省『家計調査(2024年)』では、高齢夫婦のみの無職世帯の平均消費支出は月25万6,000円とされています。年金収入だけでは不足しやすく、多くの世帯が貯蓄取り崩しを前提とする構造が示されています。
