人が亡くなったら必ず発生する相続。まずは相続財産がどれほどあるのか、確認することが第一歩となります。そのために、久々に実家に訪れて遺品を整理、ということも。さらに思わぬ発見で仰天することも、よくある話のようです。
なんだこれ?年金15万円・83歳母が逝去、遺品整理で訪れた実家に「まさかの隠し扉」、そっと開けた子どもたちが目撃した「仰天の事実」 (※写真はイメージです/PIXTA)

遺言書、7件に1件に不備が見つかる

株式会社ルリアンが行った『相続に関する全国調査2024』によると、亡くなった人が行っていた終活として最も多かったのが「遺言書作成」で11.5%。「モノの整理・不用品処分」10.6%、「生前贈与・相続税対策」9.8%と続きます。一方で「特にない/わからない」が68.7%。相続を見据えての終活の重要性はいわれているものの、実際に何かをしたり、残されるであろう家族に共有したりすることは稀のようです。

 

ちなみに相続といえば、争族といわれるほど仲の良かった家族でも揉めることもしばしば。そうならないためにも「遺言書の作成は有効」とされています。では遺言書のない相続は、どうなってしまうのでしょうか。同調査によると、遺言書のない場合の遺産分割協議について、「順調だった」が65.0%を占める一方で、「紛糾した」が8.1%。「順調か紛糾かわからない」が8.8%。また「相続人が自分ひとりだったため、遺産分割協議は生じなかった」が18.2%でした。

 

また遺言書があったという人に対し、相続で起きた遺言書に関する出来事を聞いたところ、最も多かったのが「故人が残した遺言書が無効とされた」で14.6%。つまり遺言書があったとしても7件に1件は遺言書に不備があり、無効になってしまうということ。

 

遺言書は大きく「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」「公正証書遺言」の3種類があり、「自筆証書遺言」は、遺言者が自ら書いて作成するもの。2019年1月13日以降に作成したものであれば、財産目録は各頁に署名押印をすれば、パソコンで作成したものや通帳コピーの添付でも認められるようになりました。

 

「秘密証書遺言」は、遺言の内容を記載した文書に遺言者が署名押印してこれを封筒へ。文書に用いた印で封印し、公証人1人か、証人2人以上の前に提出するものです。ちなみに遺言の内容を記載した文書は、自筆でなくても構いません。

 

「公正証書遺言」は、遺言者が2人以上の証人の立会いのもとで遺言の趣旨を公証人に述べ、公証人がこれを筆記。その内容を読み聞かせ、筆記の正確性を承認した全員が署名押印したものです。

 

「自筆証書遺言」の場合、その多くに不備があると専門家。せっかくの遺志が無駄になってしまうわけですから、遺言は完璧に仕上げたいものです。