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老人ホームの入居者は動物園の展示動物
喜怒哀楽の話をすると、私は決まって次のエピソードを思い出します。それは、在宅介護に熱心に取り組んでいる介護職員A君との話です。A君は私に「老人ホームって動物園と同じですよね」と言いました。彼の論は、次のようなものでした。老人ホームは、24時間365日、万全の態勢で入居者である要介護者を管理しています。
朝になれば起床を促し、時間になれば食事を与える。運動不足にならないように適度に運動もさせ、日光浴をさせる時もあります。毎日、部屋が汚れれば掃除もするし、尿や便といった排泄介護を通して体調管理までしてくれます。
老人ホームの入居者は、まるで動物園の展示動物と同じですねと、A君は言います。たしかに、言われてみればその通りです。老人ホームによっては、ホーム内をエリアごとに分けて、ここから先は認知症専用フロアとか、自立高齢者専用フロアなどという念の入れようです。
A君に言わせれば、在宅で一人暮らしをしている認知症の高齢者は、“たくましい”と言います。認知症であるにもかかわらず、自分は一人で生活をしていかなければならないという自覚があるので、常に適度な緊張感を持って生活しています。そのため、お腹が減れば、自分で食事を作って食べます。時には、こんな食事をどうやって作ったんだろう、と感心するようなケースもあるそうです。
もちろん、長いスパンで見れば、その間、事故やトラブルに見舞われることもあるでしょう。がしかし、それでも、何より自分らしく生きているとA君は言います。それにひきかえ、老人ホームの入居者は……「かわいそう」というのがA君の言い分でした。
安心安全な生活を望むか、自分らしく生きることを望むか。リスクをなるべく回避するということを望むのであれば、圧倒的に老人ホームのような施設系の高齢者住宅で暮らすのが一番です。しかし、アクティブに暮らすことを求めているのであれば、自宅で、自力で、生活するほうが良いと私も思います。多少リスクはあっても自分らしく生きることを選ぶか、常に人のサポートのある安全安心な生活を選ぶかは、当事者が決めることなのだと思います。
どちらが良いのかというよりも、どちらを自分は選ぶのか、ということなのです。
関連事項として、介護保険に関する話をしておきます。
介護保険制度は、何度も言いますが、必要最低限の支援です。必要最低限の支援である以上、その人の可能性を制限して管理するという仕組みです。この意味がおわかりになるでしょうか? できるかもしれないが、そのためにはたくさんの労力が必要になるということに対し、介護保険制度は「やらない」という決断をし、その可能性の芽を摘み、可能性を絞り込んで対応します。
たとえば、もしかしたら歩けるかもしれない状態の高齢者に対し、「介護保険制度では、危険だから『車いす』を利用しましょう」という結論にし、保険の中で車いすを手配するという支援を選択します。これが介護保険制度です。ちなみに、医療保険も同じ考え方で良いと思います。
したがって、なんでもそうですが、本人の可能性を広げていくためには、「個別対応」ということになるはずです。勉強でも個別指導、トレーニングでも個別指導、介護でも個別介護ということになります。もちろん、その場合、多額の費用がかかるということは言うまでもありません。
小嶋 勝利
株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役
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