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融資の可否、引き出せる金額は「面談」次第
借入申込書を提出し、「創業計画書」のほか、必要書類の準備がすんだところで、公庫の融資担当者と面談することになります。
公庫の融資は、まず面談を受け、担当者が面談を基に作成した書類を、支店の課長、支店長がチェックし、OKとなれば融資が受けられます。
よって、まずは面談の担当者に融資につながるアピールポイントをしっかりと伝え、理解してもらうことが最初の関門となります。
「創業計画書」を基に面談は進みますが、大事なのは具体的な数字の根拠、ストーリーを明確にすることです。
■特に重視される数字は「売上」…融資担当者を納得させる伝え方とは
「創業計画書」で記入した数字に関して、特に重視されるのが「売上」です。
創業時に必要となる設備資金や固定費はムダ遣いをしなければ、コストは、計画から大きく外れることはないでしょう。
しかし、売上は本人の頑張り次第で大きく変わります。売上が伸ばせる人ならば、いくら貸しても返せると判断され、金融機関としては極端をいえば、「いくらでも貸したい」というのが本音になります。
つまり、融資の可否、希望どおりの融資額を引き出せるか否かは、創業計画書に記した売上について、より説得力あるプレゼンができるかどうかにかかっているといっていいでしょう。
例えば、飲食店の場合は、
●周辺に競合店がどれだけあるのか
●出店予定地にどれだけ通行人がいるのか
●周辺にどのような施設があるのか
●来店する方のメインターゲットはどこか
などを踏まえ、「メニュー構成」「価格帯」「客単価」「見込める集客数」「回転数」を割り出し、売上の裏付けとします。別紙を用意し、最寄駅の乗降客数や道路沿いならば交通量、周辺にある会社などの大口客が見込めるかなども踏まえてプレゼンするのがよいでしょう。
また、美容室の売上見込みを合理的に説明する方法としては、例えば、前職での指名客が400人いたとします。その顧客が2ヵ月に1回のペースで来店していたとして、独立後も指名客の半分でも引き継ぐことができれば、単純計算で毎月100名のお客さまを確保できることになります。1名あたりの平均単価が8000円だったとすれば、
8000円×100名=80万円(月)
創業時から月商80万円は見込めると説明すれば、説得力、納得感をもって、事業の将来性を伝えることができます。
営業代行業の場合は、「今までに取得した名刺リスト(名刺コピー)」「前職で出した実績」などが売上想定の裏付けとなります。歩合制で高い給料を得ていた場合は、前職の所得が高い理由は、営業力があるからです! とプレゼンしても、納得してもらいやすいです。
そのほかのビジネスも同様で、前職での顧客(クライアント)を独立後も引き継ぐことが可能ならば、既存客リストを別途作成し、伝える方法が有効です。
意外に難しいのが通販ビジネスにおける売上予想の説明です。実際に私のお客さまでアパレルサイトを立ち上げた事例では、SNSにおける通販サイトのシェア率や、登場しているモデルのインスタグラムのフォロワー数、先行販売をした結果などを提示し、融資に成功することができました。
また、売上以外にもさまざまな数字について、その根拠を問われた際には口頭で解説できるようにしておきましょう。