(※写真はイメージです/PIXTA)

これから開業する会社や個人事業主がまず当たるべき金融機関は、ズバリ「公庫」です。公庫に申込書を提出した1~2週間後、公庫担当者と面談を行います。面談では申込み時に提出した書類、主に創業計画書(あるいは事業計画書)を基に、担当者から質問を受けます。いくら公庫が「借りやすい金融機関」であるとはいえ、融資の可否、希望どおりの融資額を引き出せるか否かはこの面談が重要。面談を成功させるポイントを見ていきましょう。融資調達アドアドバイザーの田原広一氏が解説します。

「前例がないビジネスモデル」ほどプレゼン資料が重要

先に挙げた飲食店や美容室といった、業種名だけで仕事内容がイメージできる業種であれば問題ありませんが、例えば「AI(人工知能)を使った資産運用サポート」など、テクノロジーを駆使した新しいビジネスモデルの場合、「今後、果たしてどの程度需要があるのか」、あるいは「そもそもどのような課金システムになるのか」など、なかなか理解してもらえないリスクがあります。

 

ここで注意しておきたいのが、斬新なビジネスモデルのほうが、融資が通りやすいのではと思いがちですが、むしろ逆ということです。実は「前例がないビジネスモデル」は効果が測定しにくいため、融資のハードルが上がるというのが正解なのです。

 

まだ世に認知されていない新たな事業、アイデアビジネスに関しては、パワーポイントや手書きの図版でも構わないので資料を作成し、見せながら説明するのがベターです。

創業動機や職務経歴…「よく聞かれる項目」のポイント

その他、よく聞かれる項目についてもポイントを挙げていきましょう。

 

「創業動機」については、前職でキャリアを積んだ同業種で独立する際には、深く聞かれることはありませんが、まったく異業種からの創業など、その経緯がイメージにしにくい場合は質問されることがあります。「しっかり準備して成功できる自信がある」というストーリーを具体的、かつ論理的に説明できるようにしておきましょう。

 

「職務経歴」についても同様で、同じ業種からの独立、異業種からの転身、どちらであってもその経験が新たな事業に活かせるポイントを挙げられると印象アップにつながります。

 

また、「自己資金」については、コツコツ自分で貯金ができていれば問題ないですが、見せ金と疑われるケースは、確実に質問を受けることになります。ウソはご法度と心得て、正直に話すことが大事です。

 

「取引先」「仕入先」は複数あるのがベストです。「末締め翌月払い」など、その会社との取引条件について「入金が遅く、支払いが早い」関与先ばかりの場合は、リスクを指摘されることもあります。また、取引先、仕入先がいずれも1社の場合は、そこが倒産したらビジネスが継続できないのではという見方をされてしまいます。別途、見込みの仕入先、取引先があればリスト化し、見積書などをすでに提出していれば、持参しましょう。

次ページ時に厳しい質問を受けることもあるが…

※本連載は、田原広一氏の著書『賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

増補改訂版 独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣

増補改訂版 独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣

田原 広一

幻冬舎メディアコンサルティング

資金調達のノウハウが知りたい経営者、必読!  起業の喜びも束の間、会社の存続をかけ資金繰りに頭を悩ます日々…。創業から1年以内に約3割の企業が廃業するといわれているなか、生き残るために必要な融資の知識とその活用…

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