(画像はイメージです/PIXTA)

本記事は、フランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社の「グロース株か?バリュー株か?アクティブ・マネージャーの見解」最新レポートを一部抜粋したものです。

<<元のレポートはコチラ>>

 

【関連記事】コロナ禍で下がった銘柄…「そのまま下落」か「再上昇」か?プロ投資家はこう読む

インデックスファンドより高いリターンを狙う!
「アクティブファンド特集」を見る

「グロースVSバリュー」議論…インフレが重要なカギ

このところ、グロース株優位とバリュー株優位の局面がそれぞれ訪れ、昔からあるグロース株投資対バリュー株投資をめぐる議論が再燃しています。グロース株の投資家として、そして何よりイノベーションへの投資家として、バリュー株シフトは今後も続くという主張に対しどのように考えているのか、我々の見解を紹介したいと思います。

 

優れた議論はどれもそうですが、グロース株投資とバリュー株投資それぞれの主張はどちらも正しく一貫しています。グロース株の割高なバリュエーションをめぐる議論から、テクノロジー規制の可能性をめぐる議論、はてはバリュー株のより高い成長見通しという直感に反する議論まで様々です。

 

今年2月から5月のバリュー株シフトの局面で、バリュー株優位が続くと盛んに主張された根拠は、高インフレ環境への転換でした。インフレ局面では、長期的な資産の割引率が上昇するため、長期的な利益成長を織り込むグロース株と比べて、バリュー株のパフォーマンスが上回るという主張です。

 

足元のスタイルローテーションの局面ではインフレが重要なカギを握るだけに、ここで我々のインフレに対する見通しを紹介し、今後も低インフレ環境が続くという主張をしたいと思います。

 

しかし、我々はマクロ要因を念頭に置いているものの、それが我々の投資判断を大きく左右することはありません。同様に、特定の四半期におけるマクロ経済の懸念に惑わされることもありません。それらが長期的なパフォーマンスを左右することはないと考えているからです。

 

例えば、ゲノミクスやAI(人口知能)、AR(拡張現実)は、引き続きインフレとは無関係に加速すると考えています。グロース対バリューをめぐる我々の見解については、我々のホワイトペーパー「第4次産業革命は平均回帰を葬り去るのか?」※1でも広く議論しています。

スタイルローテーションが頻繁に起こっている

[図表1]ラッセル1000バリュー指数とラッセル1000グロース指数のスタイルローテンション:2008年~2021年※2021年7月31日時点
[図表1]ラッセル1000バリュー指数とラッセル1000グロース指数のスタイルローテンション:2008年~2021年※2021年7月31日時点

 

この10年間のグロース株のパフォーマンスをめぐる主張は、グロース株のパフォーマンスは一貫してバリュー株を上回っているというものですが、[図表1]が示すように、これは正しくありません。

 

バリュー株のパフォーマンスがグロース株を上回る局面も頻繁に生じており、市場が健全に機能していることがうかがえます。この13年間で主流の投資スタイルは20回入れ替わっています。これら期間は[図表1]に記載した通りです。

 

例えば、2008年初め以降、バリュー株がグロース株を上回った日数は46%で、バリュー株優位が330日間、続いたこともありました。

 

しかし、このようにスタイルローテーションが頻繁に生じているものの、[図表2]が示すように、グロース株のパフォーマンスは2008年以降、バリュー株を287%上回っています。バリュー株優位は、テニスでポイントを獲得しゲームを取ったにも関わらず、試合には負けたようなものかもしれません。

 

[図表2]ラッセル1000グロース指数とラッセル1000バリュー指数の累計パフォーマンス
[図表2]ラッセル1000グロース指数とラッセル1000バリュー指数の累計パフォーマンス

 

投資家にとっての教訓は、冷静さを保ち、長期目線で一時的なポイントに惑わされてはならないということです。

 

資産を「守る」「増やす」「次世代に引き継ぐ」
ために必要な「学び」をご提供 >>カメハメハ倶楽部

次ページイノベーション経済には「3つのデフレ要因」がある

※いかなる目的であれ、当資料の一部又は全部の無断での使用・複製は固くお断りいたします。
●当資料は説明資料としてフランクリン・テンプルトン(フランクリン・テンプルトン・リソーシズ・インクとその傘下の関連会社を含みます。以下FT)が作成した資料を、フランクリン・テンプルトン・ ジャパン株式会社が翻訳した資料です。
●当資料は、FTが各種データに基づいて作成したものですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。
●当資料に記載された過去の成績は、将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。また記載 されている運用スタンス、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。
●この書面及びここに記載された情報・商品に関する権利はFTに帰属します。したがって、FTの書面に よる同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。
●当資料は情報提供を目的としてのみ作成されたもので、証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。
●フランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社(金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第417号、加入協会/ 一般社団法人投資信託協会・一般社団法人日本投資顧問業協会・一般社団法人第二種金融商品取引業協会) はフランクリン・リソーシズ・インク傘下の資産運用会社です。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録