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RBAは政策金利据え置きと量的緩和維持を決定
【本記事のポイント】
・豪州準備銀行は政策金利の据え置きと政府証券の買い入れ継続を決定しました。声明文では「オミクロン株は景気回復を妨げるものではない」との見方を示しています。2021年3Qの実質GDP成長率はマイナス成長となるも、市場予想を上回っています。
・豪ドル相場は米利上げ観測とオミクロン株拡大で弱含むも、根強い豪州の利上げ観測は豪ドル相場の下支え要因となりそうです。
豪州準備銀行(RBA)は12月7日の理事会で、政策金利を0.10%で据え置く決定を下しました。量的緩和策については、週40億豪ドルのペースでの政府証券(国債・州政府債)の買い入れを少なくとも2022年2月中旬まで継続する方針を維持し、改めて2022年2月の理事会において債券購入プログラムの見直しを検討すると表明されました。
オミクロン株は景気回復を妨げるものではない
RBAの声明文では、「豪州経済はデルタ株流行による後退から回復しつつある」との景気判断が示されました。足元でのオミクロン株の出現に関しても、声明文では「新たな不確実要因となるものの、景気回復を妨げるものではない」との見方が示されています。
豪州の2021年7~9月期の実質GDP成長率はデルタ株流行によるシドニーやメルボルンなどでのロックダウンの影響から、前期比-1.9%と2020年4~6月期以来のマイナス成長となりました[図2]。
もっとも、市場予想(前期比-2.7%)と比べると、7~9月期の豪州GDPの落ち込みは限定的に留まりました。すでにシドニーやメルボルンのロックダウンは10月以降解除されており、年末に向けて豪州の経済活動再開の動きが広がりつつあります[図6]。
雇用環境の改善により今後は利上げが焦点に
また、労働市場に関しても、求人広告などの先行指標は雇用の力強い回復を示しており、RBAでは労働市場のひっ迫に伴って一段の賃金上昇を見込んでいます。
RBAの予想では基調インフレ率は2023年にかけて2.5%に達すると見込まれています。今後も雇用環境の順調な改善が進めば、2022年以降、RBAの利上げに向けた議論が活発になる可能性がありそうです。