(※写真はイメージです/PIXTA)

コロナ禍により、チームパフォーマンスが低下したと感じているリーダーが多いようです。筆者独自の調査によると、チームパフォーマンスを最大限に発揮できている組織はわずか30%。力を活かしきれず、「悪くはないが良くもない」というチームが増えているようです。メンバー個人の能力を高めるだけでは「強いチーム」を作ることはできません。チームパフォーマンスを向上させるために、今こそ求められるマネジメントを見ていきましょう。

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チームパフォーマンスは「個人の能力の総和」ではない

メンバーに主体性が備わればチームパフォーマンスが上がる。そう信じているリーダーはたくさんいますが、それはまったくの間違いです。

 

「せっかく研修で主体的に動く方法を学ばせたが、職場に戻ってきたら今までどおり受け身のままだった」「一人ひとりと面談しているときはとても前向きなのだが、会議になるとみんな黙ってしまう」「力のある人材をキャリア採用したがまったく力を発揮してくれない」

 

そんな声を至るところで聞きます。

 

チームパフォーマンスとは、単なる個人の能力の総和ではありません。個人の行動は、チームの雰囲気やメンバーとの関係性、リーダーからの働きかけなどに大きな影響を受けるということが多くの研究で明らかになっています。一人ひとりの能力や意識が向上してもよい環境のなかでそれらをうまくかけ合わせできなければ、チームとして機能しないのです。

 

そのことを知らないリーダーは、個人の主体性やモチベーションを高めることだけに力を注ぎがちです。個人のパフォーマンスを高めるための教育・訓練に力を入れたり、1対1の面談を重視したり、モチベーション研修やメンタルヘルス向上の取り組みなど心理面でのサポートも盛んに行ったりします。

 

確かに個人個人の主体性や能力が高いと、より強いチームが作れることもあります。しかし「チームの能力の総和を大きくする」よりも先にまずは「メンバー一人ひとりが本来の力を発揮できるチーム環境を作る」ことのほうがずっと大切です。たとえ主体性の高いメンバーだけを選りすぐったとしても、例えばいがみ合っていてはパフォーマンスが上がらないことは容易に想像できます。ただの顔見知りの他人同士のままではとてもチームとは呼べないのです。

次ページメンバー個人の能力より「チームの状態」が重要

※本連載は、橋本竜也氏の著書『チームパフォーマンスの科学』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

TEAM PERFORMANCE チームパフォーマンスの科学

TEAM PERFORMANCE チームパフォーマンスの科学

橋本 竜也

幻冬舎メディアコンサルティング

「科学的アプローチ」でチームパフォーマンスを客観的に評価する! 一人ひとりの社員は優秀なのに、チームパフォーマンスが上がらない…。そんな悩みを抱える管理職・リーダー層に向けた、待望の一冊。 マネジメントにお…

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