(※写真はイメージです/PIXTA)

女性医師にとって、30代はキャリアとライフプランをいかに両立していけるかの勝負どころです。かつて女性医師が妊娠・出産する場合、2~3割もの人が休業したり、退職したりするといわれていましたが、近年は徐々に改善され、育休・産休が取得しやすくなりました。本稿で紹介する女性医師・太田さんも、育児休業で現場を離れている1人。仕事復帰に対する不安はそれほどない一方で、キャリアプランにおいて気がかりなことが…。

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医師のための「失敗しない資産運用」のステップ

これからの時代、女性医師の方が、キャリアプランや人生設計を考えていくうえで、ぜひ考えていただきたいのが資産運用です。

 

医師の方たちは一般の会社員や公務員に比べると年収は高いのですから、お金を上手に貯め、増やしていくことで、経済面からキャリアプランや人生設計の選択肢を広げることができるはずです。

 

ただ、資産運用は思い付きで始めてもうまくいきません。一つひとつ、ステップを踏んで行うことで、効率的で失敗の少ない資産運用が可能になります。

【第1ステップ】収支の把握

最初は、ご自分の収入と支出を把握することです。お金の流れを「見える化」することといってもいいでしょう。

 

医師の方は日々、忙しく、意外に自分が毎月いくら稼いで、いくら使っているか、分かっていないケースが少なくありません。収入がそれなりに多いので、なんとか回っているからというのが大きな理由です。

 

しかし、資産運用のためには、そもそも自分の給料がいくらか、そこから税金や社会保険料がどれくらい差し引かれているか、また自分は毎月、何にいくら使っているのかを知る必要があります。その差額が、毎月手元に残るお金です。

 

具体的には、エクセルで収入と支出の表を作り、収入では勤務先やアルバイト先、支出では家賃、食費、税金や社会保険料などの項目別に金額を打ち込んでいきます。

 

注意すべきなのは、収入は給与明細や支払い通知で簡単に把握できますが、支出についてはレシートや領収書をとっておかなければなりません。支払いはなるべく現金ではなく、クレジットや電子マネーなど記録が残る方法で行うのがお勧めです。

【第2ステップ】資産運用の目標設定

次は、資産運用の目標を設定することです。例えば、「病院やアルバイトの給料のほか毎月20万円の副収入を確保する」とか「10年後までに5000万円の資産をつくって開業資金に充てる」といったことです。

 

ここでは、自分がなりたい医師としての将来像やプライベートにおける結婚や出産、子育てといったイメージを思い切り膨らませてください。

 

そうしたイメージを膨らませることが、資産運用に対するモチベーションにつながります。また、いろいろな専門家のアドバイスを聞くのもよいでしょう。

【第3ステップ】運用方法の選択

そして、具体的な運用方法を選びます。お金を運用する方法としては、預金、株式、投資信託、FX、仮想通貨、不動産などがあり、またそれぞれ国内と海外の別があります。

 

自分の目標を達成するためには、どのようにお金を用意し、それをどれくらいのペースで運用していくかによって、どの方法が適切なのか違ってきます。

 

それぞれ、特徴が異なるので、どの方法が自分の目標に適しているかを少しずつでいいので、調べてみる必要があるでしょう。

 

ただし、医師の方たちは忙しいので、効率よく情報を集めて判断するには、専門家に相談するのも一つの手です。

 

なお、こうしたステップは、一直線に進むというより、行きつ戻りつしながら、徐々に取り組むのがいいと思います。

女性医師が増えるにつれ、育休・産休の取得状況が改善

かつて、女性医師が妊娠・出産する場合、周囲の無理解や本人の遠慮もあってか、2~3割もの人が休業したり、退職したりするといわれていました。また、産休や育休を取得できたとしても、「職場に迷惑が掛かり申し訳ない」「キャリアプランが立てられず不安を感じる」といった声も聞かれました。

 

でも最近は、多くの医療機関で関連制度の整備が進み、以前に比べると状況は改善されてきているようです。

産休を経て、無事「1年間の育休」取得。仕事復帰に不安はないが…

【太田さん(仮名)のプロフィール】

年齢:35歳

所属:大学病院(勤務医)

専門(標榜科):内科

 

太田さん(仮名)は2年前、大学時代の同級生で同じ内科医のご主人と結婚。現在は勤務先の大学病院の現場を育児休業で離れ、しっかり充電されているようです。

 

「出産は安産でした。育児も主人が協力的なので、今のところ夜泣きや授乳もそれほど大変ではありません。むしろ、毎週の当直や休日の呼び出しもなく、こんなにのんびりしていいんだろうかというくらい(笑)。」

 

とはいえ、太田さんも育休を取得するまでにはいろいろあったとか。

 

病院の幹部から、「女性医師のキャリアには、少しぐらいブランクがあっても大丈夫だろう?」なんて無神経な言葉を浴びせられたとか。でも、そんなくらいでめげる太田さんじゃありません。

 

医師としての仕事は大好きで、専門医の資格取得ももう少し。また、いったん退職すると子どもの保育園探しでかなり不利になってしまいます。だから、何度も自分のやる気と事情をアピール。

 

結果的に産休のあと、1年間の育休が認められ、今は予定より2ヵ月ほど前倒しで復帰する予定です。

 

「復帰に向けて力を入れているのが、専門医の資格取得に向けた準備。それともう一つ、子どもが生まれてから始めたのが投資や資産形成についての勉強です。」

 

子どもの教育費にいくら掛かるんだろう。そんな不安もあり、太田さんはご主人と話し合い、育児の合間に少しずつオンラインセミナーに参加したりしているんです。

不動産投資の勉強には「区分ワンルーム」が最適

そして太田さんは先日、実践で学んでみようということで新築の区分ワンルームを1戸購入。

 

神奈川県内の物件で、価格は2550万円です。資金計画としては、頭金10万円と諸費用100万円は自己資金でまかない、残りの2540万円は地元の地銀で35年ローンを組みました。

 

収支は月々8000円、年間では9万6000円ほどの持ち出しですが、初年度は購入諸費用の分で不動産所得はマイナスになり、損益通算で60万円ほど税金が戻ってきました。

 

「不動産投資の収支の仕組みや節税効果、それにレバレッジなどの意味が初めて理解できました。やっぱり、頭で理解するのと、実際に肌で感じるのとは、全然違いますね。」

 

区分ワンルーム1戸は投資額も少なく、不動産投資の仕組みや特徴を実践的に理解するにはもってこいです。

 

太田さんは現場に復帰したら、ローンをどんどん繰り上げ返済していくとともに、次の段階に進んで一棟マンションの購入に挑戦する計画も立てています。

 

これから不動産投資への理解をどんどん深め、着実に資産規模を拡大していくはず。太田さんのように育児休業中の時間に投資の勉強をすることは、とても有益といえるでしょう。

 

 

大山 一也

トライブホールディングス 代表取締役社長

 

植田 幸

資産コンサルタント、宅地建物取引士、AFP(日本FP協力認定)

 

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※本連載は、大山一也氏、植田幸氏による共著『幸せになれる女性医師の不動産投資』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

幸せになれる女性医師の不動産投資

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大山 一也
植田 幸

幻冬舎メディアコンサルティング

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