(※写真はイメージです/PIXTA)

経営者として築き上げた会社で、血や情によって結ばれたはずの身内。しかし、その信頼関係が脆くも崩れ去り、予期せぬ事態によって経営者の座から引きずり降ろされるケースは決して他人事ではありません。本記事では岡村良男さん(仮名/65歳)の事例とともに中小企業のオーナーが抱えるリスクについて、FP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が詳しく解説します。

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堅実な長男、破天荒な次男

岡村良男さん(仮名/65歳)は、すでに他界した両親が残した会社を継ぎ、親の他界後もその家に住み続けていました。岡村さんには2歳年上の兄・隆さん(仮名)がいます。隆さんは堅実な人生を歩んできました。大学卒業後は国家公務員として勤め上げ、現在は悠々自適なセカンドライフを送っています。

 

2人は兄弟でも対極的な性格。幼いころから何事もコツコツと確実にこなし、有名大学に進学して国家公務員になった兄の隆さんに対し、弟の良男さんはなんでも興味を持ってはそこそこ器用にこなすものの、飽き性で長続きしません。高校を卒業したあとはバンド活動をしながらフリーター生活を営んでいました。

 

しかし、転機となったのは良男さんが40歳になるころ、見るに見かねた父が自身の経営する小さな建設会社に良男さんを重要なポストとして入社させたことでした。自由奔放ながら天性の人たらしだった良男さんは、入社から1年も経つと父の独裁体制だった社員を見事にまとめ、地元の若手経営者の集まり等でも受注を獲得。良男さんの入社以後、会社の業績は向上しました。40代後半で良男さんは父のあとを継ぎ、社長に就任します。

 

親の会社を私物化していた次男

社長になったあとも会社の経営は良好で、良男さんは頻繁に繁華街に繰り出していました。そして、兄の隆さんの退職祝いの際、兄弟で2軒目に行くことに。良男さんが「この世の天国を見せてやるよ!」という馴染みのバーに行くことにします。そこはハイレグにバニー姿の女性スタッフたちがいるバーでした。夜の店に行くこともせず、これまで堅実に生きてきた隆さんにとっては衝撃の光景です。

 

慣れない店で固くなっている兄の隆さんに対し、良男さんはいつものようにシャンパンを頼みました。一晩で十数万円もお金を使う良男さんに対し、隆さんは「社長がそんなにムダづかいをするべきではない」と諭しましたが、良男さんは「兄貴は相変わらず固いねぇ」と軽くあしらい聞き流していました。

 

そんな良男さんをみて隆さんは「このまま父の会社を良男に任せてはいけない」と思うように……。

 

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