(※写真はイメージです/PIXTA)

両親と同居していた妹家族。しかし、妹が亡くなり、母が亡くなり、父が高齢者施設に入所したことで、実家は義弟が1人で住むことに。しかし、父の通帳を「しまっておく」といって預かった義弟は、急に高額な買い物を繰り返し…。離れて暮らす姉は義弟を追及できません。どうすればいいのでしょうか。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。

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妹は亡くなり、父も施設入所…実家で独居する義弟

今回の相談者は60代の専業主婦、渡辺さんです。実家の父親の相続について心配事があり、筆者のもとを訪れました。渡辺さんの母親は3年前に亡くなり、父親は半年前から高齢者施設へ入所しています。渡辺さんには妹がいましたが、10年前に病気で亡くなっています。

 

妹家族は、渡辺さんの実家で両親と同居していました。妹が亡くなったあとも、多忙な義弟は息子と娘ふたりの面倒を見られないため、そのまま同居を継続。その後、子どもたちは就職を機に家を離れていきました。現在は、父親不在の実家で定年退職したばかりの義弟がひとり暮らししています。

 

 

渡辺さんは結婚後、ずっと隣県で暮らしています。嫁ぎ先は家業で手広く商売をしており、夫の両親や祖父母とも同居だったため、なかなか実家に行くことができませんでした。そのため、妹家族が両親のそばにいてくれることに感謝していました。

 

残念ながら、妹は若くして病死してしまいましたが、甥はいずれ実家に戻りたいとの気持ちを話してくれ、渡辺さんも実家の不動産を妹家族のものとすることに異存はありません。

 

渡辺さんの父親が施設に入所するとき、これまで父親自身が管理していた預貯金や、年金が振り込まれる口座の通帳・カード類を渡辺さんに預けたいといわれました。

 

しかし渡辺さんの自宅は、実家へも入所先へも遠く、いまも舅姑の介護をしていることから、何かあってもすぐに駆けつけることができません。迷っていると、義弟が「心配ないです、僕が貸金庫に入れておきます。もしお金が必要になったら、立て替えておきますね」と申し出たことから、義弟に通帳類を託したのでした。

 

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本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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